第28話 いろいろ思っている。

 これはライとミアが蒸気機関車の近くでライの水についてやり取りをしていた時のこと。

 ちなみにその前にライとミアの話していたステータス表の話の時はこちらはこちらでいろいろ話していたこともあり。 

 ちゃんとは聞こえてこなかったので、2人が話していることにすら男性陣は気が付いていなかった。


『どれどれ――って、冷たいな』

『ほんとだ』

 男性陣がライたちの行動に気が付いたのは。話が一段落。全員で砂浜に横になりリフレッシュしながら食事を待つ――となった時だった。

「ライたち何かしてるのか?」

 まずチボーが聞こえてきた声に気が付く。

 そしてチボーの声でアドリアンやマルタンもそちらを見ると。はっきりは見えないが。何やらライのスキルでやっているのはわかった。

「水――だな」

「何か使えないか見ているのかもな」

「熱心だな」

「俺たち寝ているだけだな」

「馬鹿だな休める時に休むんだよ。まあ今日からはライが小屋に住ませてくれたら周りを気にする必要はなくなるかもだがな」

「あ、そうか。みんなで休めるのか」

「多分だがな」

 こちらの男3人。

 いつも食料集めが終わればこうして砂浜に寝っ転がっている。

 または前までいた少し森の中に入ったところで岩に座ったり。気にもたれたりして寛ぐのがいつもの流れだった。

 そして今は話にちらっと出てきたが。この島生き物はいない――と、思われるがちゃんと見れていないところ。特に森の中は見れていないこともあり。

 夜間など女性陣がなるべく夜は休めるようにしていたので、男性陣が交代で見張りをしていたのだ。

 まあ今のところ見張りをしていたら何かに遭遇したということはないのだが――。

『これは――まあ見た目は綺麗だな』

『うん。あと――触った。濡れた感じは完全に水だよね』

『ああ。綺麗なのに――飲めないのか』

 3人で寛いでいる間もライとミアのやり取りがところどころ聞こえてくる。

「アナイスは飲める水」

「ライは飲めない水」

 そして男性陣は男性陣で、聞こえてくる会話からこちらはこちらで話をして料理ができるのをいつものように待っていた。

「でもこれで水を出せるのが2人ってのは大きいな」

「だな。まあ水を出すに関しては、アナイスが緊張言うのか恥ずかしがるとお湯――って、それはそれでアナイスがケガするからさせれないが。でもお湯も使えるからアナイスの方が上位格?になるのか?」

「どうだろうな。まあライは――スキルポイントが必要言ってたから。何もなく使えるアナイスの方がやっぱり上じゃないか?」

「まあそうだよな。っか飲めるってのはめっちゃ助けられたからな」

「そうだよな。アナイスが居なかったら、雨水だったからな。それもいつ降るかわからないから」

「――そりゃ――死んでいくやつ多いわな」

「俺たちも危なかっただろ」

 3人の雑談は続く。

 ちなみにアナイスが居るため男性陣も身体を洗ったりというのは今までもできているがなるべくみんなが疲れないように。負担をかけないように――なので、頻繁にと、いうのは難しいことだった。

 そんな中――。

『きれいだけど――そのあたり泥水と同じなのかな?または――海の水に近い?』

『どうだろうな。でも飲めない水だから――まあ試すのもだよな』

『うん。お腹壊したら――だからね』

『なら私もちょっと水出して』

『わかった』 

 男性陣が砂浜に寝っ転がりながら雑談している中。ライとミアが離れたところでやって言うことはこちらにも聞こえてきている。

『――気持ちいいーー』

 そしてミアの本当に気持ちよさそうな声が男性陣にも届く。

「……なあ。なんか気持ちよさそうなことしてないか?」

「確かに」

「まあ飲めないだけで、ライの場合はスキルポイント?がある限り水出せるみたいだが――今のライ的には余裕のことか」

「つまり――」

「汚れたりした身体を洗える」

「顔も洗えばすっきりだよな」

「海水じゃなんか――だったからな」

「でも今はミアは気持ちよさそうだから俺たちが行くべきじゃないか」

「だな」

「ミアもだがライもまだ来たばかりだし。なるべくリラックスしている時はそっとしておいてやるべきだろ」

「っか、ライってホント何者なんだろな」

「それに関してもそのうち聞けばいいだろ」

「だな。今の感じなら――俺たちそこそこはまだ生きれる気がしてきたからな」

「――にしてもライの水は冷たいのか?」

「気にはなるな」

「ミアの声からして――マジで気持ちよさそうだから」

「でも今は――だから。そうだ。休む前にライに頼むか」

「それがいいな」

「なら今は――我慢か」

「どうせいまたあとで動くしな」

「それもそうか」

 寝っ転がりながら話す男性陣。

 優しい男性陣というべきか――この3人いろいろと周りのことを考えているのだった。


 ジャラジャラ……。 

 ドン――ドン――ドン――ドン――ドン。

 ドドン……ドドン。

 カンカンカン……。

 少しすると、何やら音が聞こえてきた。

「うん?なんかライがまた線路作り出したな」

「水に関しては終わりか?」

 それに気が付いた男性陣も寝転がりながら音の方を見るが動くことはなかった。

「もしかするとまた何か発見か?」

「ライのスキル――突然増えるみたいな感じだったからな」

「にしてもライのスキル不思議だよな。今もまたなんか線路作っているが」

「ほんとだよな。本人は全く疲れている様子ないもんな」

「チアとは普通に疲れているが――」

「まあチアはまた特別な気もするが――」

「チアに関してはライ以上にまだわかってないこと多いからな」

「というかここにいるみんなそれぞれ変わった奴がいるって感じだがな」

「だな。俺たちもだし」

「でも俺たちって――火が弱いか」

「道具が必要」

「同じく」

「……まあ変わった――なのか?」

「多分」

「なんか改めて考えるしょぼくね?」

「でも島流しにあったんだし――」

「っか、あの島流しはぜったい腹いせ――いうのか。国王の適当さだろ」

「まあそれはそうだろうな。」

「にしても国はライのことをちゃんと理解しておけば――一気に発展できたかもしれないのにな」

「ほんとにだよな」

 そしてしばらく話す男性陣。

 すると小屋の方で物音がした。

「お、そろそろ飯ができたみたいだな」

 アドリアンが小屋から出てくるオロールに気が付き立ち上がるのだった。

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