第17話 まあ信じれないよね
俺たちより前からこの島にいた同じく島流しになった人たちと合流してから少し。
アドリアンから小屋のことを聞かれ、俺の目の前に居る人たちが果たして信じてくれるだろうか――と、思いつつスキルのことを話そうとしているところだ。
「えっと簡単に言えば俺のスキルが使えるようになった――です」
と、言っても説明の方法もちょっと難しい。
なんせ材料とかなく。単にスキル使ったら家ができますだからだ。
これは逆の立場なら信じないだろうな――などと思いつつ俺は話していた。
「スキルで家がか?材料はどうした」
現にアドリアンの頭の上にははてなマークとまさか――と言ったような表情になっている。
「材料は――スキルポイントになるのかな?」
「すきるぽいんと?」
アドリアンの反応からしてスキルポイントと、言う言葉がないことはなんとなく俺でもわかったので、とりあえずざっくり説明に入った。
「はい。その俺は生まれてずっとスキルが使えなかったんですが。この島流しになったことで何故か使えるようになりまして。試しに先ほどスキルを使ってみたらこれが――俺の中?にあると言えばいいのか。そのスキルポイントというもので建った?見たいです。まあ信じれないでしょうが――あ、ちなみに後ろにいるのが一緒に来たというか島流しにあって生き残ったというか。えっと、ミアと――」
「あ、ミア・メナールです」
小屋の説明をしつつ。ふと俺の後ろに居たメア達のことを思い出し。簡単に紹介をした。
俺がミアの方を見つつ説明するとミアが答えながら軽く頭を下げた。
「こっちがルネ」
「ルネ――です」
そしてルネの方も一緒に紹介すると軽く頭を下げた。
「と、この2人と島流しにあったんですが。この島に来てまあスキルを使ったら――こんなものが」
再度俺は後ろに経っている小屋を手ださしながら話す。
もちろんというべきか。アドリアンの反応は――。
「――化け物か」
少し引いた感じの反応だった。
得体の知らない何か――と、思っていそうな反応をしている人も周りにはいる。
でも、まあそうだろう。
何もないところから。みんなの知らないスキルポイントとか言うものだけで作ったのだが。
こう考えると。国が得体の知らない何かを嫌うと。
確かミアが言っていたが。みんなが知らないものを持っているから島流し――と、なってしまう理由はわからなくも――って、待て。確か俺は自然破壊だったな。 スキルって――まああの時は何も発動していなかったからか。
でもどっちにしろ俺は島流しの運命だったのだろうか?
そのあとは小屋の中を見せながら再度説明をしたのだが。やはりスキルで小屋。家が建てれるのはおかしいらしく。終始アドリアンも驚き。アドリアンの後ろに居る人たちも同じような反応をしていた。
まあミアとルネも驚いている側だった気もするが――。
そして室内も軽く見てもらい。
人数が全員でも少なかったので、室内で再度話し合いとなり。
「えっと、とにかく――俺のスキルで。無限ではないんですが。小屋が出せます」
現状今この場にいる人で助け合って生きていくしかないらしいので、俺ができることを再度説明していた。
「――ま、まあ小屋があったところでこの島で生きている――とは限らないが。でも地面で休むよりかははるかにいいよな」
すると話していると少しずつ緊張が解けたのか。アドリアン以外の人もボソボソとだが声を出してくれた――って地面?
そういやアドリアンたちがこの島のどこで生活をしているのかはまだ聞いていなかった。
「地面?」
「ああこの地面だ」
声を出した男性が足で床を踏み音を出しながら地面のアピールをする。
ちなみに今更だが靴のある人ない人で、今話している人は裸足でいた。
再度となるが本当にこの島での生活は厳しいらしい。
そんなことを思ってると、アドリアンが今度は自分たちのことを話してくれた。
どうやらこの島は本当に何もないらしく。その辺に落ちている木とか葉っぱを敷いて寝るくらいしかできないらしい。
「それは――休んでも休まらないですよね」
「ああ、寝ても全く疲れは取れないな」
「ですよね。あ、良かったこの小屋は使ってください――みんなで使うと小さいかもですが。まだ回数的には数件小屋なら出せますから。とりあえずは狭いですがここを――」
「――いいのか?」
はっきりとはまだここでの生活がわかっていない俺だったが。明らかに劣悪な環境でみんなが過ごしていたことはわかったので、せっかく今あるこの小屋を使ってもらうことにした。
さすがに初めは他の人にタダで小屋とか――などと少しだけ怪しまれたが。アドリアンに任せる形で、少し小屋の中でみんなに生活してもらうと――。
自然とみんなの表情が緩んでいき。
中には横になるとすぐに寝る者もいたり。中には涙を流す者も居た。
どうやら、この小屋気に入ってもらえたらしい。
ということで、俺が次にすることは小屋ももう少し――と、なりたいのだが。スキルポイントに限りがあるため。一度ステータス表を見て検討をした方がいいか。と、思いつつステータス表を見ようとすると。
「――あ、あの――ら、ライさん?」
「―うん?あ、はい?」
ふと年配の女性に声をかけられるのだった。
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