第2話 ステータス表

 俺、ラーイユ・デュマが生まれたのはもうも前の事。




 ――――――――おいおいおいおい!

 誰か突っ込んでくれよ。

 って、無理か。

 俺ずっと1人暮らしだからな。

 今の俺は自然豊かな――って、周りのことじゃなくて。

 とりあえずいきなり数千年以上とか言えば、いきなりお前は何をふざけたことを言っているんだ?どう見ても20代、30代だろうが。バレバレの嘘はやめろ。と、言われると想定して話を進めるが(もしかすると俺が勝手に思っているだけで実際には爺なのかもしれないが。鏡に映る俺は――数千年前とあまり変わっていないと思う)。

 とにかくだ、これは本当のことだ。

 信じてくれないと話が進まない。

 俺はこの地に生まれすでに1000年以上――正確に言うと……ちょっと待ってくれ。この地には便利なステータス表があるんだ。

 俺が生まれる前からあり。この地に生きる皆が生まれると同時に全員が持っている。使うことが出来るステータス表は数千年経っても日常的に使われている。便利な機能だ。誰が考えたんだろうな。知らんけど。

 ステータス表といえば、簡単に言えば自己紹介カード。または経歴書?のような物だ。

 念じれば自分の正面に画面が表示される。


(ステータス。オープン)

 

 §

 

 ラーイユ・デュマ。

 男。

 年齢。1374歳。

 独身。

 族種。幽霊族。影人。

 スキル。鉄道ジオラマ。


 §


 ――スキル使用時消費スキルポイント――


 ☆ 砂利。1キロ。10P

 ☆ ○○。1キロ。500P

 ☆ 線路。1メートル。1000P

 ☆ 客車。100000P

 ☆ 貨車。100000P

 ☆ 蒸気機関車。 1000000P

 ☆ 建物。1軒につき。1000000P

 ☆ 順次解放。


 §


 ――スキルポイント(SP)獲得方法――


 ☆ ○○を作る。10000P

 ☆ ○○と○○する。1秒×100P

 ☆ ○○な○×を受ける。 1回ごとに5000000P

 ☆ ○○な○○を○×。 1人ごとに100000P

 ★ ○○する。 SP制限解除。


 §


 と、無駄にいろいろ表示されるが。

 これがステータス表。

 ちなみに通常の人の場合だと。


 §

 

 ラーイユ・デュマ。

 男。

 年齢。1374歳。

 独身。

 族種。幽霊族。影人。

 スキル。鉄道ジオラマ。


 §


 の部分だけが表示されるみたいだ。

 数千年前に親のステータス表を見たとき確かこんな感じにシンプルだったと思う。

 そんな中。何故か俺には昔からその他いろいろ表示されているがな。

 ちなみにステータス表は各個人がいじることは一切できないため。表示されていることはすべて事実である。多分神様だろうといじることはできない――と思う。いや、神様がもし作ったのなら――いじれるのか?わからん。考えても無駄なことは考えるな。

 まあ誰かは、はるか昔。この地を作った神の力によるものとか言っていたような気もするが神様がね。本当にいるのだろうか?今のところ俺は見たことないぞ。数千年生きていても。

 なお。俺のステータス表を見るといろいろツッコミたくなることがあると思うが順番に説明するから待ってくれ。

 勝手に詮索しないように。また勝手にもう見るのをあきらめないように。

 ちゃんと説明したいからな(単に一人だから暇――というわけ……ではある)。


 まず名前はラーイユ・デュマ。

 両親がかれこれ数千年前に付けてくれた名。数千年ちゃんと変わらず名乗ってるぞ?いや、名乗っている――勝手に自分が言っているだけと最近はなっている気がするが……誰もいない町になったからな。

 とにかく数千年前のことになるが付けてもらった名前。

 なお、俺の両親は名前を付ける際に父親が『「ラー」っていう名前がかっこいいだろ。強そうだろ』と、言ったところ。母親が『「イユ」って名前がかわいいわ。響きが最高じゃない。名前を呼ぶたびに癒される存在とか素敵じゃない』と言い返したらしい。

 さらに聞いた話によると、しばらく生まれたばかりの俺を放置(オギャからの周りの人が気が付くまで放置されていたとか……)して揉めたとか――いや、今思い出しても俺良く生きてたな。産まれてすぐ一時的に放置されたんだもんな。呼吸とか1人でちゃんと出来たんだな。俺偉い。みんな褒めてくれ。俺偉い。

 と、そんなことがあって、両親は名前決めでまず揉めに揉めて……結果。


『『合体させましょう』』


 ということになったらしく。

 俺の名前は『ラーイユ』になった。 

 ちなみに基本俺は両親から『ライ』と、呼ばれていた。

 何故かって?『ラーイユって言いにくいな』『そうよね。良い名前なのに』。などと両親に笑いながら幼少期に何度か言われた。

 そして両親が健在の間はずっと『ライ』だった。

 だから濡れ衣を着せられた時。数千年ぶりにフルネームで呼ばれたという。俺としてはかなりレアなことだったりもする。

 もし歴史に名を残すような人物だったらしっかりと歴史に書かれても良いことだったが。その場がね。残されるにしても不名誉――いうのか。まあとにかくあの場で俺は久しぶりにフルネームで呼ばれ、濡れ衣を着せられたというな。

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