大人びた子供――深読みの楽しみ
- ★★★ Excellent!!!
作者の過去作、『君と育てる魔法少女〈白銀の章〉~深淵に囚われし少女たち~』を読んだ身からすると、作者にとっての普遍的なテーマの一つはこれかもしれない。子供らしい子供というのは実際はそんなにいないし、他方で子供扱いされて悔しい想いをした経験をお持ちの方も多いだろう。小説が意識に根差すものである以上、子供心に感じるそうした異和が深く影を落とすというのは、少なからずありえることである。
あえて深読みするならば、と釘を打つ必要はあろうが、この観点で読むというのは、興が深いと想う。実は作品の設定上――大人が子供に転生する関係上――ここは消えてしまうのだが。なので、あえてではあるが、深読みの面白さというのも、また、あるのである。