第六章 北海道最終地、富良野へ
第二十九話 白フワちゃん大成長?
※後半グルメ回になってます。飯テロにご注意ください。
「山下隼人よ、喜べ、お前がたくさん色々連れて行ってくれたから、私も1センチ成長することが出来たぞ」
え〜っ!1センチーっ!
まだ、1センチなの〜!?
あんなに色々連れてって、あんなに色々な事があったのに、まだ、1センチしか成長してないとは!?
バチンっ!
「痛っ!」
「コラーっ!お前今、まだ1センチなの?って思っただろー!もう1センチも成長しただろーが!大成長だろ!大成長したから私もバージョンアップしたからな、私のこと怒らせると感電させるぞー!」
え〜!感電させられちゃうのー!
いつも頑張ってるのに、酷い……。
大成長とは言ってもまだまだ大きめのピンポン玉って感じで、怒っていても全く迫力が感じられない、とても可愛らしい見た目をしている。
うーん、成長ってどこまでするんだろ?白フワちゃんがバレーボールくらいになったら可愛くないかも……。
「白フワちゃんってどこまで大きくなるの?」
バチンっ!
「痛っ!」
「そんなの自分で考えろーっ!どこまで大きくなるかなんてどうでもいいだろー!なんでバージョンアップしたっていうところに触れようとしないんだ。感電死させるぞー!」
え〜っ!死が付いちゃいましたー!
酷い、酷すぎる……。
それに自分で考えろって、自分で考えても答えを出せるようなことではないと思いますが……。
バチバチ、バチバチ……。
「わぁ〜、痛いです〜。バージョンアップって何がどうなったんですかー?」
「よし、そこまで言うなら教えてやろう」
そこまで言ってないんですが……言いたいなら普通に言えばいいのに……。
僕が不満げな表情をすると、白フワちゃんはキッと睨んできたのでお手上げのポーズをして身を縮こませる。
「私から発せられているエネルギーが上がったから、お前から発せられているエネルギーも上がったぞ!喜べ!」
??
何のこっちゃ?
「お前は何で、1〜10まで全部言わないと分からないんだー?エネルギーが強くなったから、お前のエネルギーが他の人に伝播しやすくなったって言ってるんだよーーっ!」
また怒った〜!何で〜??
白フワちゃんは大変お怒りになられたようで、顔に何度もポンポン、ポンポンと体当たりを繰り返してくる。
可愛い仕草だな〜、全然痛くないし。可愛いからそういう攻撃だったら、いつでも大歓迎です。
なんでも今までは直接肌に触れないと普通の人に神秘現象を見せてあげることが出来なかったのだが、今度からは服の上からでもいいのだとか。
いやいやいや、そんなこと10まで言ってもらわないと分からないでしょうが!
「でも、服の上から触っても痴漢は痴漢だと思いますが……」
バチンっ!
「痛い〜っ!なんで〜?」
「お前は、なに変な想像してんだ?どこ触る気してんだよ。バカなの?」
バカ〜!酷い……。
別にベッタリ、ネットリ触る必要はないのだとか、こっそり袖口に触るとかでも十分な量のエネルギーを伝播できるようになったのだそうだ。
「おー!それは凄い!めっちゃ便利じゃん!」
あれこれ考えて体に触らなくて良くなるなんて有り難い!
「そうだろ、そうだろ、感謝して媚びへつらえ!」
「は、はぁー、ありがたき幸せでございます〜〜」
白フワちゃんはヨシヨシでもするかのように、僕の頭にポンポンと体当たりを繰り返していた。
「白フワちゃん、色々聞き出すのも面倒くさいので、人の心情を読み取るとかそういうこともできたりしないですかね?」
バチンっ!
「痛い〜っ!今日何発目〜?」
「じゃあ、ご当地グルメ堪能する必要ないってことになるけどいいんだな?」
「え〜!なんで〜?」
「だって、そうだろうが、話のきっかけにするために堪能して回っていたんだろ」
!!
うっ……確かに……。
「面倒臭いなんて言いませんので、ご当地グルメは堪能させて下さい……」
◇ ◆
ということで白フワちゃんの許可をもらった僕は、意気揚々と富良野にある大人気の名店に移動してきた。
そこは絶品のスープカレーを提供してくれるお店として、有名になっていた。
外観は古民家風のスタイルで、看板がなかったら普通に民家だと思って気付かずに通り過ぎてしまっていたことだろう。
ウキウキ気分で入店すると中はオシャレなカフェスタイルの店内となっていた。こんな雰囲気の良いところでスープカレーを堪能出来るとか、贅沢ですね〜♪
ここのスープカレーはスパイスの効いたサラサラのルーに富良野産の野菜やお肉がゴロゴロ入っているのが特徴とのこと。
じっくり手をかけ煮込まれているスープにスパイスの組み合わせが絶妙で、絶品の味に仕上がっているのだとか。
ぐぅ〜〜。
まーた、お腹の虫が騒ぎ始めてしまったよ。
某有名カレーチェーン店のようにメニューを選んだ後、辛さ、ご飯の量、トッピングなどを選べるスタイルとのこと。
一番人気はチキン野菜カレーとのことでそれを選びトッピングとしてはキクラゲ、舞茸を選択する人が多いとのことでそれをお願いする。
トッピングは他にもトンカツや
量はスープ大盛り、ライスは当然超大盛り。
辛さは5が一般的な辛口くらいのレベルとのことなので、5にしてもらうことにした。
「お待ちどうさま〜」
おー!ライスは黄色なんですね?
店主のセンスなのだろうか?スープカレーとは別の皿に盛られたライスは黄色い色をしているサフランライスだった。
オシャレだね〜♪
ではでは、と思いスープだけ掬って口の中に運んで一口味わってみると……一般的な辛口より辛いかもと思ったが、すぐにスパイスの辛味が旨味に変わり、刺激感のある香りと交わりコク深い味となり広がった。
「これは、美味しい!」
そして、トッピングしてもらったエビフライをパクリ、衣についたスープカレーの辛味からくる旨みが広がり、衣のサクサク感、えびのプリプリ感の食感の後、エビの風味と甘みが広がる。
美味しい〜♪
ため息が漏れてしまい、顔の筋肉が緩んでしまいトロットロの表情になってしまった。
チキンや野菜はスプーンで簡単にほぐすことが出来るくらいに柔らかく、野菜からは新鮮だからこその甘みを感じることができた。
野菜から甘みを感じることが出来るので、これだったら辛さをもうちょっと強くしても良かったかもと後悔。
野菜の中でも特に美味しかったのがジャガイモだ。皮が付いているのでかみごたえのあるホクホク感で、少し焼いてあるのだろうか?香ばしさも感じることができた。
ジャガイモだけトッピングして追加しておけば良かったと後悔。
やはり、北海道のジャガイモは絶品だ!
「隼人様、超大盛り頼んでいたと思ったんですが?もう食べ終わったんですか?」
「当ったり前よ〜。レンちゃん、スープカレーはね。お吸い物って意味なんだよ」
「そうなんですか〜」
「そんな訳あるかーっ!」
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