な、なんかヘン・・・!

 ある日、彼は言った。

「おい。ちょっとこっち来い。」

 彼は人差し指をクイッと動かしながら、ボクを促す。

 なんだろうと思っているとおもむろにボクの唇を塞いだ。

「んん・・・っ。」

 思わず声が出てしまうクチュクチュと舌が絡む濃厚なキス・・・。なんだけど、なんかヘンだ。

「ぷはっ!」

 唇を解放されてから思ってみると。

「あ、甘い・・・。チョコ?」

「はは!一度やってみたかったんだよなこれ。どうだ?気持ちよかったか?」

 無邪気に笑う彼。対してボクは顔が真っ赤だ。チョコを口で転がしあっただけであんなえっちなキスになるなんて・・・。

「その様子を見ると、悦かったんだな。」

「う、うん。」

 思わず自分の唇に手を持っていく。

「もう一度やるか?」

「え!?」

「いいからこっち来い。」

 グイッと無理やりボクの腰に手をまわして、彼の傍へ寄せる。ボクは彼の胸を手で押さえて抵抗するも、彼の力には敵わない。

「本当はもう一度してほしいんだろ・・・?」

 そう言いながら、ボクはそのまま流される。

 そう。本当はもっとしてほしい・・・。

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ボクと彼2 なかひと @nakahito

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