■■ACT3■■
第38話 エヴォレンジャーロボvs爆弾魔神ロボ(Ⅱ)
■■Evolution:06「Explosion!! 非情冷酷、爆弾魔人」(戦闘パートⅣ)■■
『
ホログラム映像によるLIVE映像。ハカセはエヴォレンジャーロボと爆弾魔神ロボ、否、
「ふぅ、所詮は魂無き人擬(ひともどき)。神に勝利する事は出来ないのかなぁ?」
下級神といえ虚神の戦闘力は現時点でのエヴォレンジャーロボを凌駕していた。
「ねぇ~君はどう思う?」
ハカセは俺の方に視線を移した。
「あれれ? いない」
俺が倒れていた場所にはべっとりと血糊の跡がついている。だが倒れていたはずの俺はいなかった。ハカセは周囲を見渡す。俺は血の跡を残しながら地ベタを這っていた。
「動いてる? おかしいな。俺は君を「操作」していないはずなんだけどなぁ……」
ハカセは不気味かつ満足げな笑顔。俺は何処に向かっているのか?
「ドコ向かっていくのぉ? もしかして逃げようとしているの? 君はもうすぐ死ぬよ。それともぉ~~どっかのマンガ主人公みたいカッコ良く、運命に逆らおうとしてるのかい? ぷっぷっぷっ~~~~っ無駄無駄無駄」
「俺は……」
俺に語る力は残されていない。ハカセは俺を見下しながら……
「君はねえ只のNPC、村人Aですらない。「キイ」以外台詞もない。エンドロールにクレジットされる事のない、人という「
俺は、死ねない……何故そう思う? 人擬だからと言われ黙っていられないからか。それとも「ハカセ」という良くわからないクソ野郎に弄ばれムカついていたからなのか?
「君の命運はもう尽きてるの。名も無き戦闘員として消え去り、虚神の苗床となる」
俺は何かに向かって這い進む。目の前には巨大ロボの残骸、何故其処に向かっているのか? 俺自身解らない……だが『影』があれに搭乗しろと俺を突き動かしている気がする。
「やれやれ、何で頑張っちゃうかなぁ~~。君はその他大勢。
ハカセは俺の側にやってくる。だが手を出そうとはしなかった。代わりに。
「おーい、聞いてる? 只の
「そんな事は、絶対させねえ……」
ハカセは這いつくばり、血反吐を吐き、死にゆく俺に対し、呪詛の言葉を吐き続けた。
「君はもうすぐ死ぬ、君の死なんて誰も気にしちゃいない。だってさぁ、全ての人々は
「関係ねえ……」
俺が呪詛の言葉を無視し、ボロボロの巨大ロボ、そのコックピットに搭乗した。コックピット内も焼けただれ、ボロボロになっている。それでも、幾つかのスイッチ類が俺を待っていたかのように、静かに点滅を繰り返していた。
ハカセは車椅子から立ち上がった。
「やはり君は、俺の「影」だ…………このマシンに……かつて『エヴォシャドウロボ』と言われたマシンに搭乗しようとするんだ。面白い!!」
「動く……」
俺は半ば無意識にスイッチを操作した。ハカセは……
「君はもう直ぐ死ぬ。それでもまだ君は運命に抗うというのかね? そうかね、君はもう一つの可能性を俺に、いや俺達に、このクソッタレな聖典世界に示そうとするのかね」
「うるせえなぁ……」
ウザったいハカセを遠ざけるかのようにコックピットハッチを閉じる。暗闇と静寂が訪れる。暫くして起動音、巨大ロボのシステムが再起動。長い長い時を経て、半壊した巨大ロボが再び立ち上がろうとしていた。
「何で、こんなに懐かしいんだ……」
俺は見知らぬ巨大ロボのコックピット内を何故かとても懐かしいと感じていた。瀕死のはずの俺、少し少し身体が楽になった気がする。
全周囲モニターの生き残り箇所が周囲の様子を映しだす。駆動音がだんだんと大きくなっていく。エンジンが……うなりを上げ始める。
「いける……」
ボロボロの巨大ロボの身体中からパイプ類が垂れ下がり、埃とバラバラになったパーツ類が、落下していく、だが、巨大ロボはその身体を立ち上がらせようとしていた。
「相棒……俺達、まだいけるよな」
俺はレバーを操作、ゴミ山の中からボロボロの巨大ロボが動き出そうとしていた。ハカセが叫んだ。
「では最終オーディションを開始しよう」
瓦礫の山の中から、ゆっくりと立ち上がる巨大ロボ。
「君は名も無き戦闘員として此処で消える去るのか? それとも、新キャラ。神聖戦隊エヴォレンジャーの追加戦士『エヴォシャドウ』こと『ヒカゲナナクロウ』という代役に選ばれるのか? 新たなる「魂」の所有者となり、エヴォシャドウロボが
俺が操作するボロボロ巨大ロボ、かつて「エヴォシャドウロボ」と言われた巨大ロボットは爆煙を上げ飛翔しようとしていた。巨大なゴミ捨て場、天井のハッチが開き、地上へのルートが開ける。
「かつて
推進器点火。俺が搭乗した巨大ロボは戦場へ向かい飛行を開始した。
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