AV撮影現場から時間停止ストップウォッチを借りパクした結果

国見 紀行

時間…… 停止ッ!

「へ、へへへ。借りてきたぜ! あくまで借りてきただけだから! あとで絶対返す!」


 俺が現在務めているAVスタジオでは、ガチモンの時間停止ストップウォッチを使っている。

 あまりにガチすぎて、男優のハメ撮りしかできないのが難点だ。


 それをちょいと借りてきた。

 もちろん、エロいことをするためだ。

 手始めに、隣の控室で待機してる新人AVタレントに突撃する!


「えっと、ダイアルを『停止』に合わせて…… ポチ!」


 ぐうぅぅぅ…… ん。


「お、  と    ま         っ」           た?


 あれ、声が出ない?

 あとすごい暗いんだけど? いや、若干青い。ブラックライトで照らされてるみたいに暗い。

 そして体が全く動かない・・・・・・・・

 なんだこれ、なんだこれ!

 何もできないじゃないか! 何も見えないじゃないか!!!


 ……んんんんぉぉおおう!


「ったあぁぁっ!!! ……あれ?」


 また突然元に戻る。


「くそ、俺じゃ使いこなせないのか? ……戻しとこ」

「おーい、田沼! 撮影用のストップウォッチ知らないか?」


 やべ! 助監督じゃん!


「あ、さっきベッドに放置されてたみたいで拾っときました!」

「おーやるじゃん。……あ、『完全停止』になってるじゃないか。あぶねぇ」

「え、それダメなんスか?」

「……」


 助監督はニヤリと笑う。


「あー、これな。減速単位を一万分の一くらいにしないと空気そのものも固まるから撮影にならないんだよ。光の動きも限りなくゼロになるからカメラにも映らないし」

「あー、あー!! なるほどね!」

「お前、使ったろ?」


 ……あっ、しまった!


「あまり派手にするなよ」


 助監督はそう言ってストップウォッチを俺に渡してくれた。


「あ、アザス!」






 うおおおおおおおおおおおお!!!






「あの、助監督」

「ん? 使えた?」

「全く何も感じなかったッス」

「ほぼ時間停止してるからね。相手さん無反応だろ」

「はい、ぜんぜん気持ちよくないッス。なんなんスあれ……」

「お前さ、うちの動画見たことないだろ?」

「いや見てますよ! 特に修正前の」

「コラぁ。まあいいや。その動画の最初に必ず書いてるだろ? 『彼らは特殊な訓練を受けてます』ってな」

「え、それってそういう意味なんスか!?」


 BITTER END?

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AV撮影現場から時間停止ストップウォッチを借りパクした結果 国見 紀行 @nori_kunimi

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