読み始めてすぐに、ケインの不遇さと、そこから始まる壮絶な物語に引き込まれました。
妹と別れて戦場へ向かうシーンは胸が締めつけられますし、そこから「死んでも戻る」無限ループに突き落とされる展開は衝撃的で、先がどうなるのかページをめくる手が止まりませんでした。
けれど、ただ苦しいだけではなく、死を繰り返す中で少しずつ強くなっていくケインの姿に、読んでいるこちらまで励まされます。
巫女ミステアとの掛け合いも軽妙で、シリアスの合間に笑える場面があるのも魅力ですね。
戦場の地獄を経て、妹との再会や王女との出会いなど、大きな物語のうねりへと繋がっていく展開にはワクワクが止まりません。
のんびり生きたいと願う少年が、皮肉にも「大剣豪」として歩んでいく物語――読み応え抜群で、続きを楽しみにしています!
全47話・約15万文字で完結まで読了してのレビューです。
作者のまさ様は恋愛・ラブコメの名手で既に★2000近くある作品も執筆されています。
そんなまさ様は実は異世界ファンタジー好きで、以前に書いてみたいと仰っていたので、遂に満を持しての登場となりました。
作風は他ジャンルと同じく、一人称でテンポよく進んでいきます。
ストーリーはあらすじにあるとおりで、主人公のケインは取り立てて才能のない田舎の村の青年です。そんな彼が可愛い妹を守るために戦争に駆り出され、敵軍最強の大剣豪と戦うところから物語は加速していきます。
いわば最弱が最強を倒す。そこにはとんでもない事情と理由があるのですが、その後は彼の周囲に多くの、これまたとんでもない人物たちが集まってきます。
魅力的な女性キャラも多く、この辺は昨今の王道ラノベファンタジーをなぞっていくかのような展開です。
ケインは自分自身の強さを誇示するわけでもなく、尊大な態度を見せることもないので、好感度の高いキャラともいえるでしょう。ただ妹と静かに田舎で暮らせればそれで満足なのに、周囲が決して放っておかない。スローライフなんて夢の夢、といったところで、いったんは終了となるのですが、この先の物語はまだまだあります。
いずれこの続きが再開されるかもしれません。その時まで楽しみにしておきたい作品でもあります。
上でも述べたとおり、テンポと展開が早く、空き時間で楽しく読める王道ファンタジーです。ぜひ手に取ってみてください。
タイトルに込められた逆説的な哀しさと可笑しみ、それが本作の魅力を象徴しているように感じました。
『スローライフを送りたいだけの俺が大剣豪に100万回斬られたら、いつの間にか自分が大剣豪になっていた話』は、静かに生きたいという小さな夢が、壮大な運命に巻き込まれていく青年・ケインの数奇な人生を、温かく、そしてユーモラスに描いています。
100万回という気の遠くなる死闘の果てに磨かれた剣技と魔法、しかしその“強さ”がもたらすのは平穏ではなく、また新たな波乱。それでも彼の隣には、フェシスやミステアといった存在がそっと灯りをともしてくれます。斬られ続けた果てに生まれるのは、ただの英雄譚ではなく、孤独と優しさが織りなす静かな人間賛歌。
草原の風に揺れるような読後感が、いつまでも心に残る一作です。
いわゆる生き返りモノですが、この主人公は100万回切られた結果という、非常に地に足が着いた泥臭い背景があります。ですから、そのチートな強さにも説得力があり感情移入が出来ます。そんな彼だからこそ、強くなっても謙虚で優しいのでしょう。
そんな彼の周囲の人達も個性的であり、強く優しい主人公を慕うようになります。滅茶苦茶強く可愛いけど豪快でどこかズレてる巫女さんだったり、凛々しく強く美しくも乙女な王女様だったり、主人公の生きる意味とも言える大切な妹だったり。そんな彼らの描くストーリーは必見です、ぜひ一読を!!
主人公ケインは何の力も無い農民ですが、徴兵され、戦争に出て、「黒の厄災」と呼ばれる大剣豪にあっさり切られて死亡します。
しかし、彼は女神オルテナス様の巫女ミステアによって蘇生され、過去に戻されます。大剣豪に切られる直前に。
ちょ、待ってと思う間もなく、また切られて死んだ主人公。でも延々と蘇生させられ、その度に殺される。
それを何度も繰り返すうちに大剣豪の剣に少しでも対抗できるようにと少しずつの努力を重ね、およそ100万回目にして大剣豪に打ち勝つのでした……というところから始まる成り上がりもの。
とにかくストレスなく、楽しく読める作品。またキャラも魅力的。
人外レベルに強くなっても謙虚なケイン君には好感が持てますし、彼を蘇生させ続けた駄女神ならぬ駄目巫女ミステアもクスっと笑える楽しいキャラ。
とても楽しい冒険譚、ぜひご一読を。