<第1話を読んでのレビューです>
探索者としての主人公と仲間たちの、川越「時の鐘」ダンジョンでの小さな冒険の物語である。文章は軽快で、会話や心の声を多用し、読者を物語の世界に引き込むテンポの良さがある。ダンジョン探索という非日常の舞台でありながら、仲間とのやり取りや現実的な悩みが丁寧に描かれていて、無理に緊張感を煽ることなく、日常と冒険の距離感が心地よく感じられる。
「……でもこれは強くなるという感覚がない。いや、あるらしいんだが……こういう雑魚ばかり倒しても全く実感はない。」
単なる戦闘描写に留まらず、主人公の内面のもどかしさや探索者としての実感のなさが、簡潔でありながら説得力をもって伝わる点だ。この描写により、単なるRPG風の冒険ではなく、現実的な感覚を伴った「作業としての冒険」が生々しく感じられる。
さらに、仲間たちの軽妙な会話や安全策の議論、冒険の計画と躊躇が自然に描かれていることで、キャラクターたちが単なる記号ではなく、生きた人物として存在していると感じられる。読後には、主人公と仲間たちの関係や心境に対して、素直に興味と好意が湧く構造になっているところが、この作品の魅力と言えるだろう。
突如現れたダンジョンで繰り広げられる、影のヒーロー“アストラル”と、日給100円のゆるカワ幽霊・ククルの予測不能な探索劇。
作者独特のセンスが光るリアルなダンジョン描写と、キャラクターの繊細な心理表現が物語に奥行きを与えてくれます。会話のテンポも心地よく、読者を自然と作品世界へ引き込みます。
ククルの愛嬌と、手に汗握るバトルシーンのコントラストも見どころ。
シリアスとユーモアが絶妙に絡み合い、次の展開が気になってページをめくる手が止まらないはず。
ダンジョン×ヒーロー×バディものが好きな方にはぜひおすすめしたい、要注目の快作です!