最終話:勝つもひと時、テンセイジャー

 「あ~~~~~! やっと、地球に帰って来れたぜ~♪」

 「帰って来れたピヨ~~~♪」


 ムーンステーションでの入院暮らしから解放された俺達。

 地球の大地に立ち太陽を浴びる。

 当たり前の事が幸せに感じ振られた。


 甚平姿で自室の窓を開けて体を伸ばす。

 仲間からのメッセージによると、明日の月曜から暫く補習暮らしが確定だそうだ。


 「授業出られなかったから仕方ないピヨ♪」

 「まあ、補習で済ませてくれるだけ温情だよな」


 ヒーロー活動を成績に反映させてくれる学校で良かった。

 タタキアンも倒したし、暫くは会社やスポンサー関連の仕事で戦隊活動をする。


 後は、他のヒーロー達のヘルプで出動とか?


 次にメインの敵となる悪の組織が出るまでは、自由が利くだろう。

 ヒーローに完全な休息などはないと、思い知らされた。


 「赤羽く~~~ん♪ お帰り~~♪」

 「え、黄河さん? どうしらたの?」


 イエローこと黄河さんが家の前に来ていた、何の用事だろう?


 「実さん、抜け駆けはいけませんわ!」

 「そうですよ、レースはまだ始まってません」

 「お転婆過ぎないかい、お嬢さん?」

 「ちょ、三人ともずるいよ!」


 永遠さんとパトリシアさん、そしてルージュも来た。


 「いや、何しに来たんだよお前ら!」

 「そうピヨ! オフピヨ!」


 玄関を出て文句を言う、近所迷惑は勘弁だ。


 「赤羽君の快気祝いと祝勝会を開くから迎えに来たよ♪」

 「ええ、皆様も会場でお待ちですわ♪」

 「一緒に戦った皆さんと合同でのパーティです」

 「炎太郎さん達も来てるから一緒に移行じゃないか♪」


 なるほど、だからルージュも一緒だったのか。

 しかし、夏も近いのに白い軍服もどきは男役みたいな格好だな。


 「灯希、着替えてから行くピヨ?」

 「そうだな、雪駄に甚平じゃ場違いだな」


 着替えに戻るかと思ったら、テンセイブレスが鳴り響いた。


 『赤羽君、帰還直後で申し訳ないが新たな事件だ!』


 連絡して来たのはゴールドこと、スピリタス博士。


 「マジっすか? 了解です! 皆、事件だぜ!」


 こんなんじゃあ、パーティーは後回しだ。


 「む~~~~! せっかく赤羽君が戻って来たのに!」


 黄河さんがイエローに変身する。


 「何処の悪の組織でしょうか? 私の逢瀬を邪魔するとは万死に値します!」


 永遠さんもブラックに変身する。


 「仕方ありませんね、ワンラウンドで終わらせましょう」


 パトリシアさんもシルバーに変身する。


 「神よ、あなたは何故僕と灯希に愛の試練をお与えになるのですか!」


 ルージュもローズレッドに変身する。


 「うだうだ言うなよお前ら、テンセイチェンジ!」

 「はいな♪」


 俺もヒノエとハイタッチを交わしてから、テンセイレッドに変身する。


 「それじゃあ、今日も悪党退治に行こうぜお前ら♪」


 俺はゴールド達が戦っている戦場へと、炎の翼を広げて飛び立つ。


 「あ、待ってよレッド君!」


 イエローが稲妻の如きダッシュで地上から追いかけて来る。


 「レッド様、私も飛べましてよ♪」

 「レッド、ゴリラは空も飛べると知っていたか♪」


 ブラックとシルバーは謎の力で空を飛んで追いかけてきた。


 「テンセイレッド、僕は気にの手をもう二度と離さない♪」

 「いや、ローズレッドはいつの間に俺の手を!」


 ローズレッドは、気が付いたら俺の手を掴んで一緒に飛んでいた。


 「あ~~~~! レッド先輩達が来たっす~~♪」

 「レッド、やっと帰って来たか♪」

 「も~~~、ラブコメしながら来ないでよ~~~!」

 「ふ、相変わらず元気で何よりだ♪」


 ピンク、ブルー、グリーン、ゴールドと合流する。


 「おっし、ローズレッドもいるがテンセイジャー全員集合だな♪」


 戦隊の仲間達を見回す。


 「ちょ! 何か巨大なタコ焼きみたいな怪物が来てるよ!」


 イエローがこちらに来る敵を見て叫ぶ。

 うん、頭も体も手足もソースの香ばしい巨大なタコ焼きだった。


 「タコなら玉子焼きの方が美味しいよ、今度神戸で食べよう♪」


 ローズレッドがずれた事を言う。


 「ダ~~~ッハッハ♪ ド田舎惑星を我らが領土とする~!」


 巨大タコ焼きの頭から、生意気そうな白いドレスを纏った少女が現れる。


 「何ですの、あのお子様は?」


 この騒動の黒幕らしい少女に呆れるブラック。

 うん、君も大概な方だけだどな?


 「このままじゃ、街がソースで汚されながら破壊されるぞ?」


 ブルーがテンセイシューターを射ちながら俺に問いかける。


 「決まっているだろ? ぶっ飛ばして止めるぜフェニックスカリバー!」


 俺は炎の翼を生やして突っ込んでいく。


 巨大タコ焼きが剛腕を振るう。

 だが炎の弾丸となって跳んでる俺は怪物の腕をぶち抜き少女に剣を振るう。


 「ちいっ! 妾に迫るとは何者じゃ!」


 少女もレイピアで俺の剣を受け止める。


 「勇者戦隊テンセイジャーのテンセイレッド! お前をぶっ飛ばす!」


 新たな敵らしき少女に宣言する。

 折角地球に帰って来れたのに、すぐまた別の悪の組織との戦いになっちまった。

 

 だが、誰が相手だろうと地球の平和は守って見せる!

 もう二度と、悪に大事な物は壊させねえ!

 

 俺はこれからも皆と戦い続ける!



               異世界勇者、地球に転生して戦隊になる・完

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異世界勇者、地球に転生して戦隊になる ムネミツ @yukinosita

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