どうでもいい会話が人間関係を築く(悲四季ぼく)
わかんないよう。どうやって人とつながるの? 表面上は仲良くしてる。会話が盛り上げることもある。ツッコミがウケたりもする。でもだいたいその場の関係で終わってしまう。
共通の話題? ないよ。知らないアニメとゲームの話題。アニメは見てる、ゲームもやってる。でもみんなとやってるのは違う。みんながハマってるのはぼくが興味もてないジャンルなんだ。別に撃ち合いとか殺し合いしたいわけじゃない。のんびり街を作ってればいいんだ。でもみんなは共通のゲームをしている。
自分がおかしいのかな? それともみんなつながるために、興味がなくても興味があるふりしてやっているのかな? そうだったとしても、自分を押し殺してまでつながるために興味のないことをやる気にはぼくはなれないんだ。傲慢かな?
新しい環境でもその状態は変わんないみたいだ。でも無理しなくたっていい。話せる話題のときだけ話そう。
「正午からガチャ引くんだよ。〇〇のキャンペーン」
この話題は興味ない……。
「また流れてきたんだけどさ。Twitterでわざわざリプつけてる奴。マジで終わってる。何が彼らをそう搔き立てんの?」
この話題はつまらん・・・
「(ここで書けない下品なネットミームが入ります)」
「ハハハ」
常にしゃべり続けてるなこの人ら、ふざけたこと言ったり、ちょっかいかけあったり、もう学校でもないのにしょうもないことばかりやってる。地元の人たちの方がもっと面白いボケかたしたなあ……。そもそもノリがあんまりついてけないんだよな……。でも大多数の男はこういうノリで会話するんだよな、ついてけないとつまんないみたいな。
それにしてもなんでそんな意味のない会話を続けるんだろう……。
少し経って……どんどん彼らと話さなくなってきた。よく話す人はよく話す人同士でますます話すようになり固まっていく。真の仲間だといわんばかりに。自分から話しかけなければ相手からも話しかけられない。このままでは孤立してしまう。どうしよう……
自分から話しかけなければ相手からも話しかけられない……?
気づいた。どうでもいいことを話続ける理由。いや別に彼らはそういう意味でやっていなかったとしても、それが仲良くなるための努力だとしたら。
どうでもいいことを話す。それは私はあなたの存在を認めていますよ、私はあなたと話したいんですよという意思表示。
また、どうでもいいことを話題に出すということは、私とあなたの間ではどうでもいいことを話してもいいという合図になる。相手もそれに応じてどうでもいいことを話せば、会話のハードルは下がっていく。
それを積み重ねていけば共通の趣味がなくてもある程度の関係を深めていけるのでは?
つまり、自分から話しかけたり、会話に参加しないスタンスを見せないと、私はあなたと会話したくないという意思表示に捉えられてしまうかもしれないということになる。
ということはつまらない会話を避けているぼくの方がつまらないのでは?
そう思ったぼくは自分から話してみたり、どうでもいいと思っていた会話に参加してみたりした。すると向こうからもこっちを向いて話してくれたり、話しかけてくれたりするようになった。やった~。
苦手な部分はあるけども、苦手なりにちょうどいい人間関係を築けたらいいな。これからともに過ごす仲間なんだし。
俺と僕と私と ケーエス @ks_bazz
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