凛視点


僕の彼女は若年性アルツハイマーだ。


そのせいで周りの人達に迷惑をかけてしまった。


別に彼女が悪い訳じゃない。


僕がちゃんと見てなかったからだ。


今は彼女の好きなオムライスを作っている。


作っていると彼女がまだ僕のことを覚えている時の記憶が頭の中に流れる。



「どう? 美味しい?」


「めっちゃ美味い! 天才だよ!!」


「それは良かった」



そんな何気ない日常が1日で消えさってしまった。


「私、若年性アルツハイマーなんだよね。君のこと忘れてしまうかもしれない。」


「その時はこのオムライスを作って食べさせるよ。そしたら思い出せるかもね」


「確かに!」


そう彼女は言い、ケラケラと笑ったのだった。



今は僕の部屋に居る。

自分でも監禁な事はしてはいけないというのはわかってる。


だけど、そうでもしないと彼女は毎日家を抜け出して、通報されるんだよ。

だから仕方なくだ。彼女が思い出すまでは。




ホクホクと湯気が上っているオムライスができた。

それを彼女に持っていく。


「桜、食べてくれ」


「嫌よ!」


「お願いだ、一口でもいいから。体調が悪くなる」



彼女が1口食べる。



「まずい! あなた、私なが卵嫌いなのストーカーなのに分からなかったの?」


「え…?」


じゃあ今までの君は無理して食べてくれたのか?僕のために?



涙が流れる。



「ごめん」















お願いだ神様。





桜を助けてください

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