世界の広さについて

ヤマシタ アキヒロ

世界の広さについて

人間にとって

世界は広いか

狭いか


桜を見ながら

考えてみた


交通手段の話をすれば

とても狭い

だんだん狭くなる


生活様式の話をすれば

とても広い

それほどは要らない


人類の可能性の話をすれば

狭すぎる

地球があと二三個ほしい


遠距離恋愛の話をすれば

広すぎる

心が離れてしまう


動物にとっては

ちょうどいい広さ


植物にとっても

過不足ない


どうして人間だけが

広すぎたり

狭すぎたり

するのであろう


そもそも地球は

一個しかないので

比べようがない


宇宙ぜんたいを

「世界」と呼ぶにしても

やはりそれは

唯一無二である


早い話が

日本は狭いが

北海道は広い

という矛盾がある


ひょっとすると

私の命題の立て方が

悪かったかもしれない


「人間にとって」は

不要であった


「世界は広いか狭いか」

でよかった


それなら答えは簡単である

世界は広くもなく

狭くもない


ただあっけらかんと

そこにあるだけである


        (了)

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