3話




 そして時は現在





「おーい大丈夫か?また自分の世界に入り込んじゃってますよー」




「あ、悪い」




 やはり恋に落ちた瞬間は鮮烈に覚えているもんなんだなあ、としみじみと思う




「でも厳しいと思うよ、成績普通、顔も普通、運動神経はそれなりにいいけど、目立った特徴もないし、しいて言えば少し優しいぐらいか?」




「そんなもの関係ない。俺の真の愛を見せつければいいだけだ!!」




「いや、メロスじゃないんだからさ……まあ、俺は応援しているよ」




「ありがとう……ジュースおごってやるよ」




「いや、そんなものよりも学食のDXランチプレート追加トッピング全部がいい!」




「嘘だろ!?あんなの頼む奴いたのかよ!」






 ちなみにDXランチプレートというのは、一つのさらに和・洋・中の三つの種類の料理が所狭しと並べられ、食べきれなかった場合大幅なペナルティを食らうあの成功者0人のモンスターをさらに追加トッピング武装するなんて…チャレンジャーすぎるだろ!?






「でも真面目に言わせてもらうとさ」






 いつになく真剣な顔で言う。






「告白して傷つくぐらいならやめておいた方がいいぞ?」






 驚いた。こいつからこんな言葉が出るなんて。てっきり当たって砕けちまえ、みたいな冗談でもいうのかと思ったぜ。






 昔からそうだ。ふざけているように見えてこいつは人のためを思って動いている。






 でもそれを知っているからこそ






「あきらめるわけがないだろ?」






 一拍






「どんなに俺が普通の少年で、それがどんなに無謀な恋だったとしてもあきらめるつもりは、微塵もないよ」






 驚いた顔をした親友は、すぐに微笑んだ。






「そういうと思ったよ。親友」



「気持ち悪いなお前…」



「なんでだよ!?さっきまであんないい感じだったのに」



「一部の人が勘違いしちゃうだろ!」



「え、何で?」



「いや、なんでもない」






 ほら、クラスの一部から腐の視線を感じるじゃん?


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誰もが認める普通の少年はどんなに無謀な恋でも諦めない 天垂石 @amadareishi

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