百合

るる

プロローグ

彩花(あやか)は、校内で誰もが注目する存在だった。派手なヘアカラーにキラキラ輝くネイル、そして大きな笑い声。彼女の周りにはいつも人が集まり、明るく華やかな空気が漂っていた。でも、その派手さの裏には、誰にも見せたことのない繊細な面を持っていることを、周囲は知らなかった。

一方、静香(しずか)は、いつも図書館の片隅に座って本を読むような生徒だった。目立つのが苦手で、教室の窓際でそっと風景を眺めるのが好き。彼女の穏やかな性格と澄んだ瞳は、時折彩花の視線を引き寄せていた。

そんな二人が出会ったのは、ある日の放課後。彩花が忘れ物を取りに行こうとして立ち寄った図書館で、静香が夢中で読んでいた本の表紙に興味を示した瞬間だった。

「ねえ、それ何の本?表紙めっちゃ可愛いんだけど!」

突然の声に驚いた静香は、本を抱きしめて顔を上げる。そこには、カラフルで自由奔放な彩花の姿があった。

「これは…ただの小説だけど…」と静香が控えめに答えると、彩花はにっこり笑いながら座り込んだ。「へー、読書とか全然わかんないけどさ、その表紙、うちのネイルと色合い似てない?」

そうして始まった二人の会話。まるで違う世界に住んでいるように見えた二人だったが、不思議と話が弾んでいった。

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百合 るる @madaramebk

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