月とポケット

アオイロノペン

月とポケット

あなたが

私に背を向けた日

どんなに

悲しかったか


あなたが

私を冷たい瞳で見た

どれだけ

胸が痛かったか


いつの間に

私はこんなに小さくなって

あなたのポケットの中に

入ってしまったの

ほんのささいな

あなたの仕草で

なんて簡単に

くずれてしまうの


私は悪くなかった

それなのに

どうして涙が

こぼれるの


私は悪くなかった

それなのに

どうして後悔

しているの


あなたが駅で

待っていて

息をきらして

駆け寄ってきて


ごめんと

つぶやいた

それだけで


私はそんな

簡単に許したり

してはいけない

でも

私を凍らせた

あの冷たい瞳はもう

昨日の月に

なってしまったの

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