三題噺
水城みつは
三題噺
「
部室に入ってくるなり、怪訝な目を俺に向けた
「あー、また例の投稿サイトのお題が出たみたいなの」
「いや、布団じゃなくて座布団な。流石に部室に布団は広げないぞ……」
「むぅ、ザ・布団ってことで同じでいいじゃないですかぁ」
膨れる葉月の後ろからは双子の姉である
「で、結局、お題はなんだったですか?」
「
「ふぇ? えーと、ないです」
「お題を三つ出してもらって、演じる落語よ」
桜が解説してくれた。
「ああ、それで布団、じゃなくて、座布団を出していたんですね」
「形から入るところが先輩らしいです。で、お題は私達が適当に決めていいんですか?」
「きっと難しいお題のほうが直も喜ぶから、あ、布団と座布団みたいに濁点で変わる単語からってのはどうかな?」
「桜せんぱーい、そんなに擦らなくても」
からかう桜に対して葉月が口を尖らす。
「良いですね、じゃあ、
「もっとカッコ良くて難しいのはないか? ほら、四字熟語とかで」
隣の部屋から何か担いで出てきたのは筋トレマニアで幽霊部員の
「
「おうよ、ここで腹筋とかする場合用だな。あ、マットはマッド以外にならないな」
「力先輩の言うカッコ良さそうな四字熟語って『夜露死苦』とか『愛羅武勇』ですかね」
「葉月……流石にそれは違うと思うよ。『天下無双』で、
「お、
何か色々ヤバそうな事を口走りかけた力を止める。
「アホはほっといて、と言うか、お前ら
―― キーンコーンカーンコーン
下校を促すチャイムと共に顧問の先生が顔を出した。
「あ、先生。これは……おあとがよろしいようで。鍵お願いしますね!」
結局、題目は決まらぬままそそくさと部室を後にした。
三題噺 水城みつは @mituha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます