果たして、『彼ら』の正体は一体。
読み進める中で、「これはどういうシチュエーションなのか」と好奇心を刺激されるようになっていきます。
ずっと暗い状況に閉じ込められている。その後は謎の『選別』を受ける。
その後はダンス。更にお風呂に入れられる。
普通にイメージするならば、SF的な世界観の話だろうか。宇宙人か何かに捕まって、何かの施設で『最期の時』でも待たされているかのような。
そんな不気味な雰囲気も持って始まる本作だが、最後は意外な方向に。
なるほど。「アレ」はこういう感じなのだな、と読み終えて納得。もしも「アレ」の気持ちを考えた場合には、こんな風になるのもかもしれない。
そういう「疑問」や「不穏」から始まっての「昂揚」。
まるで羽根が風に吹かれるようにフワフワと、読者の心を翻弄してくれる作品でした。