主人公のセリフ回しなどが特に良くて、思わぬ「宝塚的ヴィジョン」がついつい頭の中に浮かびました。
その「平凡さ」ゆえに異世界行きの様々なフラグをへし折り続けてきた主人公の少女。
その少女がいつの間にか異世界に召喚され、いつの間にか魔王などをデリートし終わっていたことが判明する。
その先で、「勇者」である彼女はその国の姫から「あるお願い」をされるが……。
この辺りの雰囲気がとにかく良かったです。「平凡」だったはずの彼女が、「イケメン女子」として姫に接する姿。それが何と言っても絵になります。
こうして、異世界での冒険だけでなく、その先での「アフターケア」まで見事にやり通した彼女。
果たして彼女のその後はどうなるのか。
KACのお題の三つがテンポよく取り入れられ、最後にはどこかホッとするラストに繋がって行く。
きっとこの先も彼女の「平凡」が続いていくのだろうと予測され、少女マンガの絵柄などで読んでみていなと思わされる一作でした。