天下無双☆完全無欠のエリザ様(に、あこがれる私)

うり北 うりこ@ざまされ②書籍発売中

第1話


 はぁぁぁぁ……。今日もエリザ様、素敵だったわ……。


 薄っぺらい布団にもぐり、エリザ様のお姿を思い浮かべる。

 私の学園生活は、エリザ様一色で、エリザ様がいるから幸せだった。


 

 貴族の学園に奨学生として平民ながらに入学して、早3年。

 貴族と平民の格差がすさまじいこの国で、貴族に交じって勉学に励む。きっと肩身の狭い3年間となるだろうと覚悟をして入学した。

 ところが蓋を開けて見れば、学園生活は平穏そのものだった。

 それは、公爵令嬢で王子の婚約者という、令嬢たちのトップに君臨されるエリザ様が、弱いものを虐げることを嫌うお方だったからで、誰もがエリザ様に嫌われるのを避けたからだった。


 エリザ様は見た目のみならず、中身もとてもお美しい方で、常に気品にあふれ、誰にでもお優しい。

 学園中……、いや国民たちからのあこがれのエリザ様は、誰よりも優れている天下無双なお方なのである。


 エリザ様のおかげで私は仲間外れにされることも、馬鹿にされることもなかったし、奨学生として入学した私をエリザ様はよく気にかけてくださった。

 困っていた時に、エリザ様自らが助けてくれたこともあり、すっかり私はエリザ様に夢中になっていった。


 そんな学園生活も残り僅か。私もエリザ様も、もうすぐ卒業する。

 卒業パーティーでは婚約者や恋人とダンスを踊ることとなっていて、エリザ様と婚約者の王子のダンスでは、きっと誰もがエリザ様に見惚れるだろう。

 私は一緒に踊る相手もいないし、ダンスのセンスが壊滅的なので、当日はエリザ様を見つめ続ける予定だ。


 ところが「出会いはいつあるのか分からないものよ。踊れるに越したことはないのだから、練習なさい。私も手伝うわ」と、ダンスが下手くそな私のためにエリザ様が特別に教えてくださることになった。

 なんという幸福。間近でエリザ様のダンスが見られ、教えてまでいただけるのだ。

 

 エリザ様は、ダンスもとても美しい。

 舞うかのように軽やかに、けれど艶のある雰囲気に、誰もが見惚れてしまう。


 卒業しても、少しでもいいからエリザ様のお側にいたい。お話したいなんて、平民の私には無理だろう。けれど、遠目でいいから、お姿を見たい。

 その一心で、卒業をしたら文官の試験を受ける予定だ。

 学園で3年間奨学生として過ごし、トップの成績をおさめたので、先生からも受かるだろうと言ってもらえている。

 私の人生はエリザ様とともに──。

 

 どうか夢の中でも、エリザ様とお会いできますように……。

 ペラペラの布団の中で目を閉じる。

 その日見た夢は、完全無欠・天下無双のエリザ様と私がダンスを踊るという、恐れ多くも、最高すぎるものだった。




 

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