この作品の魅力は、とにかく 「現場のリアル」と「キャラの強さ」 に尽きる。
テーマパークを舞台にした物語は多いが、ここまで “裏側の空気” を生々しく、かつコミカルに描いた作品は稀だ。新人カッピーの素朴さ、ハナの軽妙さ、オラフの優しさ、ココロの暴走気味な自意識、さらにSポテト・カルーア・カントクなど外部オタク勢の濃さ。この“キャラの濃淡のバランス”が絶妙で、誰もが自分の界隈にいそうで笑ってしまう。
また、物語はコメディ中心でありながら、テレビ取材での編集魔術や炎上の兆しなど、ネット時代の怖さを軽く織り交ぜている。決して重くはないが、「リアルに起きそうだからこそ笑える」のが特徴だ。日常と非日常の境界を行き来しながら、最後の“事件”の予兆まで丁寧に積み上げており、読み手を次へと誘う構成力も高い。
“現場×オタク文化×ゆるコメディ” が化学反応。