おわり
雨の中裸足で歩いた。走る気力は起こらなかった。静かに歌いながら、俯いたままで夜の街を歩いた。もう人目なんて気にならなかった。
高架橋の上を最終電車がうるさく音を立てて走っていった。あとどれくらいで君のところに行けるんだ。あとどれくらいで君のことを忘れられるんだ。
人気のない土手道をずっと歩いてやっとぽつんと大きな光がみえた。何度も行ったことのある場所なのに記憶をなくしてしまったみたいな気持ちだった。
雨の日が嫌いだった。あなたはいつも雨が降るとわたしを思って電話をかけてくれた。だからほんの少しだけ雨の日を好きになれたのに、怖くて仕方がなくなってその場に蹲った。
いかないで、なんて声も全部雨音にかき消された。初夏の夜には似もつかない桜の花びらがどこからが舞ってきた。雨に流される前に拾って握りしめたまま大きな声で泣いた。
イデア そらゆきまめ @_rosapink76
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