謎解きとしてのロジックがまたとんでもなく面白かったです。
主人公である初は、老女でありながら卓越した剣術の腕を持っている。
初は自分の孫がいじめによって自殺したことを知り、激しい怒りに取り憑かれる。そして習得した剣術を駆使し、仇となった人間たちを殺していくことになるが。
物語は犯行が終わった後、刑事である守田が現れることで更なる動きを見せます。
なぜ、守田は山の中で暮らす初の前に現れたのか。
守田はどんな点に注目し、初の犯行を確信するか。
そして最終的な「立証」を行う決め手となるものは。
とある描写が重要なポイントに繋がり、更には舞台設定として描かれる「思わぬもの」が大きな決め手となっていく。
推理していく楽しみ。守田が何に気付いたのかを考えていく面白さ。
ポイントが明確に示されて行くため、改めて本文を読み直し、どこかに手がかりがないかと模索して行く。その過程が本当に楽しいです。
至高の推理ゲームが楽しめる倒叙ミステリー。推理の楽しさを改めて実感させてくれる、強くオススメしたい一作です。