ホブゴブリンの憂鬱

ロビン・グッド・フェロー

 いつの悪者わるものになったのだろうか?


 しょれば「清教徒ピューリタンたちは妖精ようせいはすべて悪魔あくま」としていたのでと。


 ゴブリンも、ホブゴブリンも、イギリスでは妖精ようせい一種いっしゅかんがえられている。


 ただし、性格せいかくがまるでちがう。


 ゴブリンは地下ちか邪悪じゃあく存在そんざい日本語にほんごやくすときも「小鬼こおに」である。


 しかし、ホブゴブリンは「家憑いえつき妖精」「守護しゅご妖精」とばれ、善良ぜんりょう存在そんざいなのである。ホブゴブリンは固有名詞こゆうめいしではなく、「いたずらきな妖精」の総称そうしょうともされる。


 混同こんどうされた一番いちばんおおきなところは、「ふるかみが(信仰しんこううしない)ちいさくなった姿すがた」ともいわれる妖精ようせい一神教いっしんきょうでは邪魔じゃま存在そんざいであったから。それをもと創作そうさくされたもの、例えば「ロード・オブ・ザ・リング」はかれらを邪悪じゃあく存在そんざいえがいた。そこでホブゴブリンは、ゴブリンの親玉おやだまのように、むしろもっと邪悪で、姿も巨大きょだいとされた。


 それが日本にほんではゲームにれられ、サブカルの世界せかいでさらに悪者わるものとしてひろまったものとおもわれる。


 ホブゴブリンにとっては迷惑めいわくはなしだ。


 一方いっぽう、ホブゴブリンにがないわけでもない。


 ホブゴブリンには悪戯いたずら好きの側面そくめんもあり、かれらがいやがることをすれば悪戯ははげしくなり、最悪さいあくってしまうともいわれる。


 日本でたとえるなら「座敷童ざしきわらし」になるだろう。座敷童にもいえ手伝てつだいをする話もあるので、あながち的外まとはずれではない。


 ホブゴブリンは「ホブ」、あるいは「ロブ」とばれることがある。「チャーリー」など、固有名詞こゆうめいしかたられるイギリスの民話みんわもあるし、シェークスピアの「真夏まなつゆめ」で「パック」と呼ばれるものがホブゴブリンであるとされている。


 もっと有名ゆうめいなホブゴブリンは「ロビン・グッド・フェロー」。


 ギリシア神話しんわ半神はんしん半山羊はんやぎ「パン(パーン)」とおなじような姿である。妖精王ようせいおう人間にんげんあいだうままれた「半じん半妖精」であるところもている。


 いずれ、ホブゴブリンは小さな妖精であり、邪悪でおおきな姿すがでもない。


 幻想世界げんそうせかい住人じゅうにんたちがとき本来ほんらい姿すがたから変容へんようけるのはサブカルの世界ではありうることだが、正反対せいはんたいの悪者とされたのでは、それこそ彼らから悪戯をけるのではないか。


 ●参考図書(ともに「新紀元社」)


「悪戯好きの妖精たち」

「Truth In Fantasy 妖精」

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