全く共感できないことはないけど、共感したらそれはそれでヤバい。他に選択肢を持たない、というか思いつけないというのは確かに可哀想ではあるのですが、だからと言って許容できるものでもなし。結果、本人が幸せがなら、とも思えないし。なんとも感情がモヤります。そしてモヤるだけに、気持ちに尾を引かせる。そんな情緒を揺さぶる微妙なラインを攻めて来きます。スパッと爽快感のある話もいいのですが、こういういつまでも「残る」感じの話も、また見事な物語と言えるのではないでしょうか。