第48話


「あたたかいお茶でよかったかしら。」


おばあちゃんはりなちゃんママの前にむぎ茶を出した。



「あ、すみませんありがとうございます。」



「ごめんなさいね、ノンカフェインコーヒーとか用意しておけばよかったわ。」


「いえ、私あまりコーヒー飲まないんです、温かいお茶って久しぶりに飲んだけどすごくホッとする気持ちになって、嬉しいです。」



「ふふふ。良かったわ。私も温かいお茶が大好きなのよ。」



りなちゃんママは少しほっとした顔をしながら仏壇のほうを見た。

あれ?手を合わせていいですかって聞こうと思ったらさなえさん側のおばあちゃんじゃない?

りなちゃんママは急いで目線を戻して話した。


「ほんと、今日もおうちに呼んでいただいてありがとうございます。もうなんだか本当情けなくて…。」


「あらあら。情けないなんて言わないでちょうだい。寝不足が続くと頭も体も思うように働かなくなるわよね。それをいいことに私も強引に誘っちゃってごめんなさいね。」


「いえ、本当に助かってます。正直、りのが産まれる前は外で赤ちゃんの泣き声とか聞いても全然微笑ましいくらいに思えてたのに、いざ自分の時に注意されてからは迷惑にならないように。ってずっと気が張ってたので、陸君のおばあちゃんとレジの方のおかげでこの数日、少し肩の荷が下りてたんです。」


「うんうん。赤ちゃんを産んで、体も回復してないのに寝不足で二人の育児も頑張って。そんなときにそんなひどいこと言われたら張らないでいい気も張っちゃうわよねえ。」


おばあちゃんはそういって立ち上がってそっとベビーベットの中にいるりのちゃんを見た。


「ふふふ、熟睡ね。」


「ベットで寝てる姿なんてほんと見なかったのに。」


「あらあら、静かだと思ったら、みいちゃんもりなちゃんママのお膝で寝てるのね。」


「ふふふ、そうみたいです。」


私は寝てない。りなちゃんママを私も一緒に癒したいの。

そう思いながら少し目を細めておばあちゃんのほうをニコッと見つめた。


おばあちゃんは私を見てにっこり微笑んでくれた。



「あ、そういえば、りのちゃんってミルクを飲むのかしら」


「そうなんです、混合で、あ、でもお湯もこの缶ミルクを哺乳瓶に入れてからこの魔法瓶のお弁当箱に入れたお湯で少し温めるだけなのでお迎え時間まで持つと思います。」


「まあ、そうなの?すごいわね。」


話してるとりのちゃんが泣き始めた。


私はりのちゃんの泣き声を聞いてそっとりなちゃんママの膝から降りた。



「あら、まあ。ミルクの話が聞こえてお腹空いちゃったのかしらねえ。あ。りなちゃんママ、洗面所はこっちでこれがハンドソープね。」


「ふふふ。かもしれないです。ありがとうございます。りの—ミルクすぐできるから待ってね。」


「りのちゃん、ママがミルクの準備してくれてるからね。ちょっと待ってね。」

おばあちゃんはベビーベットの中のりのちゃんに優しく話しかけた。


りなちゃんママは素早く手を洗い、哺乳瓶に缶ミルクを入れ、それを魔法瓶に入れてすぐりのちゃんを抱っこした。


「まあ、すごいわ。こんなにすぐに準備ができるの。」


「ほんとすっごく便利なんですよ。」


そういってりなちゃんママはりのちゃんにミルクを与えた。


「ミルクを飲む姿って本当可愛いわね。」


おばあちゃんとみいちゃんはりのちゃんを眺めて微笑んだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫とおばあちゃんと幸田さん家 むう子 @minagi05

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ