虚飾を追い求めた先には、やっぱり何かの「落とし穴」がある。そういう怖い「フラグ」がひしひしと感じられる作品でした。
大好きなタレントの水田ちゃんに憧れ、彼女そっくりの顔に整形をすることを決めた主人公。
水田ちゃんには色々と悪い噂もあるようだけれど、「カワイイからそんなの嘘」と切って捨て、ただ水田ちゃんへの「好き」だけを突き詰める。
でも、「芸能人に顔を似せること」はやめるようにと忠告は受ける。
それでも止めることはできず、顔を似せるだけでなく、仕草などまで研究し、どんどん「彼女そのもの」になっていくことに満足を覚えるようになる。
しかし、その先に待っているのは……。
ヒッチコックのサスペンス作品などでも、「似た容姿」というのは思わぬトラブルを呼び起こすものと定番となっています。
自然発生的なものですら災難を呼び込むのだから、美容整形は「自ら窮地に踏み込んでいく行為」にもなりえるかも。
顔、仕草、アイデンティティ。それらは「人生」を象徴するもの。それを似せることは、知らずに「他者の人生」という未知の領域に入り込んでいくことを意味しています。
不用意に「未知の領域」に踏み込んでしまった彼女。そして彼女は「奇妙な世界」の住人になってしまう。
なぜ、「顔を似せすぎる」ことは危険なのか。その結果として起こることは。
彼女が迎える結末を、是非見届けてみたいただきたいです。