語彙がなくなります。
怖かった。単純に怖かった。
本当にこうなりそうで。
ありえない話じゃないなって
妙にリアルで。
何度も離脱しそうになりました。
でも、ぜひ
一度読んでいただきたい。
途中、どういうことなんだろうと思うでしょうし、やめたくなるタイミングが何回も来ると思うのですが
ぜひそこを乗り越えていただきたい。
夜中はあんまり読まないほうがいいかもです。
(夜中に読んでしまいました…お化け出てくるとか、そういう感じの方がよっぽど怖くないです。生きてる人間怖いって思ってしまう。)
文章下手だけど、どうしてもレビュー書きたかった。書きたくなるような作品でした。
ぜひご一読ください。
他にはない、とても新鮮な『読書体験』が得られる作品です。
本編は、『C』という一人の学生が相談室を訪れるところから始まります。同じ大学に通う『B君』が姿を見せなくなって心配しているという。
ここから先で少しずつ、『不審なワード』が散りばめられて行くことになります。
『DEI送り』という謎の単語。『卒業までに彼女を作らないと、そこに送られる』という噂もあるとか。
これは一体なんだろう? 自分が知らないだけで、現代の学生の間では常識になってる単語とか、なんだろうか?
そんな風に疑問を感じながら読み進めていくと、『トラフでご両親亡くされてて』という話も。
この段階で気づきます。なるほど、この作品は「もしもの未来」を描いた作品に違いない、と。
これがわかったところで、一気に物語に引き込まれて行きました。ここで描かれている『社会』はどのようなものなのか。『修正プログラム』とか『マッチングカリキュラム』とか、どことなくディストピア的な雰囲気も感じ取れるようになります。
そんな社会の中で起こった『B君』の失踪。何か、とんでもない闇に通じているような予感がする。
Cによる相談と、時折差し挟まれて行く『謎の資料』の数々。『こども家庭省』とか『ダイバーシティランキング』、『70歳以上の認知機能検査』など。
なんらかの目的に合わせ、国家単位で『何か』が進められている。その先でなんらかの残酷な措置もなされているのではないか。
好奇心、怖い物見たさ。そういった感情を刺激され、気づけば最終ページまで一気に読み進めさせられていました。
モキュメンタリーという形で『ミステリー』をやるという試みが、なんといっても絶賛したくなります。
「この物語の世界観はどんなものなんだろう」と、読者が想像を膨らませていく。自分の知っている常識や知識が通用しない、「何か不穏な理屈」で構築された世界。それらを手探りで読みこんで行き、最後に恐ろしい真実を垣間見させられる感覚。
これぞ読書の愉しみだな、と嬉しくなりました。ミステリーの新しい可能性を感じられる、とても素晴らしい作品です。
とある国立大学の学生相談室にひとつの相談が寄せられた。相談者“C”は自分と同じ法学部のゼミ生である“B”と連絡が取れず、少し心配している。ただそれだけのことだったはずが、ひとつ、またひとつと謎が増えていき、そして……
この作品、ミステリーながらホラーを思わせるモキュメンタリー形式で綴られているのがいちばんの特徴です。視点主であるCさんの文字起こしされた相談内容を軸に、合間合間へ差し込まれた意味不明の断片的資料が謎を深めていく。
流れを追うだけでも十分に楽しめるのですが、著者さんが仕掛けられた「匂わせ」がすばらしいのですよねぇ。読み進めるにつれ意味不明だった資料が真実を浮き彫りにしていき、エンディングに得も言われぬ靄めきを醸し出す風情! それでいてオープニングの様相をなんとない雰囲気ではなく、しっかりとした構成によって覆す筆の切れ味! 見事に心をかっ切られましたよ。
物語の背景にも思わず目を奪われる相談の顛末、あなた御自身の目でお確かめを。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=髙橋剛)