オレンジロイド
Hogeko
第1話
二芯国の鉄道車両は、完全自動運転で走行していた。決まったルートでレール上を移動する性質から自動化しやすいことが理由だった。しかし、事故は起こる。あるとき、倒木が線路をふさぐ事象が起きた。幸い安全装置が起動し車両は自動停止した。そのためケガをする人はいなかったが、困ったことが起こった。最寄りの駅まで誘導する者がいなかったのだ。乗務員がいたなら、非常事態が発生した場合でも対応が可能だったはずだ。鉄道会社は、この教訓から特別仕様のリモートロイドを車両に装備することにした。事故が起きた際に遠隔操縦し、対応にあたることにしたのである。どのようなことが起こるかを事前に予測するのは不可能だ。それでもできることはあるはず。障害物を取り除き、避難路を確保するなどの応急処理を可能にしたいと考えた。しかし、通常機体では装備に不安があった。鉄道会社はメーカーに改造を依頼した。装甲を強化し、パワーアップを希望したのだ。そして、見た目ですぐに改造機体だとわかるように、鮮やかなオレンジ色に黒のストライプが入っている印象的なカラーリングにした。鉄道車両停止時に現われるオレンジ色のリモートロイドはその活躍が評価され、いつしか「オレンジロイド」と呼ばれるようになった。
これに目をつけたのが消防だった。災害時の人的被害を軽減するための機材を検討していた。オレンジロイドは緊急出動用の機体として配備された。まず火事の現場で、めざましい活躍をした。人間の近づけない火のそばで、消火作業が出来たのだ。そのうえ、火の中に突入し、逃げ遅れた人の救助も行った。これをうけ、活躍場所は火事にとどまらなくなった。地震や風水害発生時の初動対応、人命救助など、災害時の心強い味方になったのだ。
(この物語はフィクションです。実在する人物や団体などとは関係ありません)
オレンジロイド Hogeko @Hogero
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