アレク奔走記、勇者の仲間を目指してたらライバル枠になってた

生きる天然水

1・勘違いの始まり

「『先導者』アレクパーティーの凱旋だ!」「彼らが勇者シリウスのパーティーと互角と噂のパーティーか!」


そこは魔王軍の幹部である魔十傑の内の1人の魔族に脅かされたことで危機的状況に陥っていたとある国だ。だが、『先導者』アレクのパーティーによってその魔族は討伐されたのであった。アレクにとって大々的な凱旋は夢の内の一つである。

しかし、この凱旋はアレクにとって想定外な状況であった。なぜならアレクは勇者パーティーの1人として凱旋を受けたいと思っていたからだ。アレクはなぜこんな状態になったのか自らの始まりを思い出し始めた。





「ん?これってマジック・クロニクルじゃない

か?」


そう最初に気づいたのはアレクが10歳の頃、姉に魔法を見せてもらった時のこと。


マジック・クロニクル、通称マジクロ、それはRPGゲームでありながら自分で魔法を作り出せるという目新しい要素が組み込まれた一大ブームを引き起こした作品だ。その人気ゆえに第2作目や大型DLCが実装されるほどであった。

内容は魔王を倒すという王道RPGであり、ストーリー重視でプレイヤーが操作できる部分が少ないということで、販売当初はあまり注目を集めていなかったがストーリーの面白さ、魔法の作成の自由度がとてつもないということが世間に広まっていき瞬く間に大人気になっていった。

当然アレク自身も前世では相当やりこんでいたプレイヤーであり、特にストーリーやキャラに惚れ込んで時間も忘れてプレイしていたほどだった。


「どうしたのアレク?ぼーとしちゃって。もしかして私の魔法にびっくりしちゃった?」


姉であるアンナはからかうように笑いながら言ってきた。


「う、うん。ほんとびっくりしちゃったよ」 


魔法に驚いたというのもそうだが、マジクロの世界に転生したということにも驚いていた。


「アレクも魔法学園に入学するつもりなんでしょ?今からでも魔法について勉強していかないとね」


アンナは魔法学園に在籍しており、普段は学園の寮で生活していて長期休暇の時には実家に帰ってくるのだ。

学園への入学は12歳からの6年間、中等部と高等部に分けられている。


もとより魔法学園に入学するつもりであったアレクだがここであることを思いついた。


「(魔法学園で勉強して優秀な魔法使いになれば勇者パーティーに入れるんじゃ!?)」


今が時系列でいえばどのくらいかは分からないが勇者が旅立ったという話は聞いていない、ということはチャンスはあるのではと考えた。

あの大好きだったストーリー、キャラたちと一緒に戦えると考えるだけで興奮が止まらない。


そうと決まればやることは一つ、魔法を極めることだ。

アレクは勇者パーティーの仲間入りを目標に決意を固めた。



しかし神のいたずらか、はたまた偶然かアレクの学園卒業と勇者パーティーの出発はちょうど1年ずれているのだった。そのことに気づいていないアレクはその後に地獄を見ることになるのだがそれはまだの話だ

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