物語がどんどん転がって行き、「構図」としての意味が変化していくのが魅力です。
主人公の美紀は現在の恋人の健二と一緒に過ごす。
そこに現れたのが「元カレ」だとわかる。しかし、その元カレは絶対に自分のもとへはやってこないはずの人間だった。
つまり、「そういうことなんだな」と、ホラーやサスペンスを読みなれている読者なら、元カレがどんな状態なのかは読めるかもしれません。
だが、そこで話は終わりません。
元カレはどうして「元カレ」となったか。
そしてこのシチュエーション。他にもまだまだ「何か」が眠っているかも。
次々と「何か」が白日のもとに晒されて行き、構図がめまぐるしく変動していく本作。
果たして、本当に怖いものは一体何か。一体誰か。果たして彼らの運命は?