黒い狛犬のブルース②〜鯨鯢〜

第9話 ぶらり福井旅

　福井での事件を終えた鷲見は、帰路につく前に、福井の街を少し散策することにした。ヨーロッパ軒総本店で腹ごしらえをした後、鷲見は福井タウンの中心部へと足を向けた。

　まず最初に訪れたのは、由利公正広場だった。広場には、由利公正の銅像が堂々と立っており、その功績を讃えていた。鷲見は、由利公正の生涯について思いを馳せながら、広場を後にした。

　次に訪れたのは、福井城址だった。石垣や堀が残る城址は、かつての威容を偲ばせるものだった。鷲見は、城址を散策しながら、福井の歴史に触れた。

城址の近くには、明智神社が鎮座していた。明智光秀を祀る神社は、静かで落ち着いた雰囲気に包まれていた。鷲見は、神社を参拝し、事件の早期解決を祈願した。

　神社を後にした鷲見は、あすわの木へと向かった。樹齢1500年を超える大木は、圧倒的な存在感を放っていた。鷲見は、木の生命力に感嘆しながら、しばらくの間、木陰で休憩した。

　休憩を終えた鷲見は、福井の老舗昆布店「天たつ」へと向かった。店内には、様々な種類の昆布が並んでおり、その香りが漂っていた。鷲見は、お土産に昆布を購入し、店を後にした。

　最後に訪れたのは、福井のまちづくりNPO「ルポの木」だった。NPOのスタッフから、福井のまちづくりについて話を聞き、鷲見は福井の魅力を再発見した。

　福井タウンを散策し終えた鷲見は、福井駅へと向かった。駅のホームに立ち、福井の街を振り返った。

「福井…か」

　鷲見は、呟いた。

「この街には、歴史と文化、そして人々の温かさがある」

　鷲見は、福井での出来事を思い出しながら、帰りの電車に乗り込んだ。