かつて一緒に芝居に打ち込んだ仲間と、彼らのそれから。さりげなく流れるシーンとか、不意に放たれるセリフとか、そういう点と点が結びついて、彼らの関係やお互いへの気持ちという線が浮かび上がってきます。その線はとても太くて濃くて、ひとつの青春を共有した人たち独特の空気感があります。かけがえのないものへの繊細な感情と、現実との混ざりかたが絶妙でした。ほろ苦い、でもどこか清々しい読後感を残すお話です。
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