第4話 選択と指定


ベールと別れてから三分くらいか?

あいつがいなくなってからというもの少し不安だ。

いつもいた守護神の様なものが居なくなったからなのか少しソワソワする。


…まぁあいつは悪魔らしいんだがな。


とは言え、俺の心から一つの存在が無くなったんだ。

そりゃ不安だよな。


ただ、、最後にあいつが言った事が気になる。


【トチ狂ったやつにしかやり直しはできない。】


そう言ったよな。

そこで気になるのがベールはかなり上位の存在だと言っていた事だ。

それならばやり直しはできるんじゃないか?と思ったんだが。

もしかしたら上位の存在の中でも部門があるのかもしれない。

それか……あいつはやり直しの為に必要な上位存在を呼ぶ時に命令形だった。


つまり、、そのトチ狂った奴よりあいつの方が高位の存在なのでは?


そしてやり直しなんぞチンケなものは出来ず、、転生、なら出来るのではないか?という事だ。


まぁやり直せるならどうだっていい。

俺はアイツを救えればなんでもいい。

それよりもこの人格のまま儀式を終えられるかが問題だ。、


というか全然現れないな。


確か……モンだったっけ?いや違うなモーンか。


呼んでみるかな。ベールが説明し忘れた可能性もあるし。


試しに口に出してみる。


ーモーン、来い


【何の用だ、そして我を呼んだのはお前か?】


きた。これはまず用件を言えばいいのか?


ーやり直したい。


【ほう、人生をか?】


ーあぁ。


意外と柔らかい反応。少し安心したのも束の間。すぐ儀式の話題になる。


【なら儀式をしなきゃだな、、何にすっかなぁ、、そうだ。最近刺激が足りないからこっから左にずっと言ったところにニンゲンがいるからそれを殺せ。】


そしてその内容に耳を疑う。

別にこういう事態を考えていなかった訳ではないが、、

ころ……す?関係ない人をか?俺の都合で?


【そうだ】


誰を殺すんだ?、、犯罪者か?指名手配犯か?


【いんや、何も罪を犯して無い二匹のどっちかだ】


俺は考える。

あの事を起こさない為とは言え勝手に犯罪者でもなんでもない善良な人物を殺すのか?

俺の都合で、、勝手に。一人の命を消し去るのか。

俺の中で悪と正が戦う。


大体お前は人に弱みを見せて成功したのか?

ーいいや。


人に弱みを見せたらどうなった?

ー付け込まれた。


その果てお前はどうなった?

ー死のうと思った。死にたいと思った。それで死のうと思って今朝家を出た。


じゃあお前も殺されてるじゃ無いか、お前は何か罪を犯したか?

ー……いいや。


じゃあ今更何故躊躇する?

ー…………


悪の心は俺の甘い部分に尚攻撃を続ける。


お前はこのままでいいのか?

あのことを無かったことにも出来るし。

何より……あいつに復讐できるんだぜ?

そんなチャンスを掴み損ねる様だからこんな人生になったんだよ。

もう一回今度は俺と新しく始めようぜ?強く願うならお前にチカラをやったっていい。

だから、、戸惑うな。


ー………モーン、、


【なんだ、決まったか?】


俺は覚悟を決める。そしてもう何も取り残さない。


ー頼む。


答えた瞬間明らかに態度が変わった。


【ハッ、、あはは、、そうかいやっぱ欲には勝てないかい。まぁ俺もちょっと力を貸してやるからよ。宜しくな“相棒”!】


そう言われると同時ポケットに重さが掛かった。

確認しようと手を伸ばすと。


【ソイツはほんの少しの手助けさ。好きな方を手に取れよ。】


ナイフと拳銃があった。

ただそれは拳銃と言うには余りにもデカ過ぎた。

困惑しているとモーンが言う。


【ふっつうのナイフと、、皆さんご存知!大口径のデザートイーグルさ!!ポケットには入りからねえから少しポケットの中の次元を弄ってる。】


ーなんで二種類なんだ?


【いや相手に痛みを感じさせる間もなく旅立たせるならソイツでバンって一発さ。ただナイフだとどうだろうなぁ、相手は死ぬまで時間がかかるだろうなぁ。お前を呪うだろうなあ。

ヒヒッお前はどっちなんだい?】


俺は迷わずソレに手を伸ばし取り出した。


【へぇそっちなんだな。腰抜けさん。】


そして左に向かって歩き出す。



暫く歩いただろうか、会話は無かった。


【もう直ぐだ、、どっちにすっかなぁ、、んじゃ左でヨロシク!あとはガンバ!】


こいつは俺の感情そっちのけで相変わらず軽いな。

俺は重たい手をズボンのポケットに入れてソレを握り締めた。

そして目の前に出てきたヒトのうち左側の人に襲いかかる。


そしてソレを首に当てて引き抜いた。


真っ赤な血が飛んだ。

ほぼ同時に悲鳴が響いた。


それを目に、、耳にしながら。



どこか興奮している俺がいた。

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