これは切ないなあ、と主人公の心情に強く共感させられました。
仲の良かった親友のアイカが、ある時に「アイドル」としてデビューすることが決まってしまう。
そして、学校からもいなくなり、どんどん遠くに行ってしまうことにも。
物理的な距離だけでなく、精神的な距離までどんどん広がって行く。
隣にいたはずなのに。対等だったはずなのに。彼女はどんどん有名になり、みんなの人気者になり、比較して自分は「大勢の中の一人」に過ぎなくなってしまう。
自分が小さくなったようにも感じられるし、ただひたすら取り残される寂しさもある。
そして何より、「大好きだった人」ともう一緒にいられなくなる寂しさ。
青春時代にある焦りや葛藤、寂寥感や劣等感。様々な感情がないまぜになった、強く心に迫ってくる作品でした。