彼は、彼女の愛を掴むために、一線を越え悲劇が起こる。
久遠 れんり
ある高校での悲劇
「えー……結城君?」
彼女は、夕方の教室で、真っ赤になりながら答えた。
それは、上気したのか、夕日の紅さか俺には判らない。
「そっそうなのか。あいつモテるもんなぁ」
話し相手は、
結城は、ダチだと言って良い。
奴は、細面で女顔。つまりモテる。
俺みたいに、ゴリラとか言われないタイプだ。
だが……
鈴ちゃんは、誰にでも優しく、気がつき頭が良い。
たまたま、二年になって俺の前に座ることになったが、良い匂いがして、俺は授業中に抱きつきたくなる。
だが……
「あいつはダチだから紹介してやる」
「えっ、でも……」
「大丈夫だって」
そう言って俺は、サムズアップ。
そして……
鈴ちゃんの聞いて、俺は決断をする。
「結城、あの話受けてやる」
「本当?」
「だが条件がある」
そう言った俺に、抱きついてくる。
「手術だって受けるよ」
「いや、そっちじゃない。女の子が一人お前を欲しがっている」
「いや私、女の子は……」
「判っている。でも…… 頼む」
彼、いや彼女は心が女。
そして、俺を求めていた。
それは知っていたが、俺には無理だった。
だけど、彼女が望むことを叶えたい。
だから、頼む事にした。
その申し出を、彼は飲んだ。
幾度か彼女とデートをして、部屋へ彼女を誘う。
なんとかキスをして、その先へ向かうが、やっぱり駄目だったようだ。
奴から電話が来て、俺は奴の部屋へ向かう。
そこには、少し服の乱れた彼女。
訳が分からず、オロオロしている。
「出来なかったのか?」
「うん。やっぱり無理」
「なに? どういう事?」
彼女の疑問は最もだろう。
「こいつは中身が女なんだ……」
「そんな……」
考える。
いつもの行為。
そうだ、その時には、こいつの物も使い物になる。
「鈴はこいつとエッチがしたいんだろう?」
「えっ?」
「じゃあ、初めてを貰え結城」
「無理だよ」
「出来るさ」
そう言って、いつもの様に彼の後ろに俺は行く。
「んあっ」
そう、コイツの物を使えるようにする。
その下には、彼女がてらてらとした液体を流して待っている。
奴のものを掴み、彼女の入り口にあてがう。
「ちょっとまつっ、くっ」
「間違いなく結城のものだ」
「へっ、あっ」
俺の動きに呼応して、奴のものも動く。
そのまま動き続けて、俺も奴も果てる。
見ると彼女は、結城に抱きついている。
その姿を見て、俺の物はまた元気になる。
背徳的な何か。
結城を飛ばして、直接彼女と繋がる。
だが、当然結城は気がつく。
「そうか、そうなんだ」
結城は抜けだして、部屋から出て行く。
鈴も俺が相手だと、完全に気がついていただろう。
どうして彼女が受け入れたのかは知らない。
二人で繋がって、俺は幸せで彼女を抱え上げて抱きしめる。
結城は入れ替わった後、彼女の顔を見て気がついた。
「許せない」
奴は包丁を持ち、ドアに背を向けていた鈴に向かう。
俺はとっさに体を回転させて、包丁を背中で受ける。
その状態でも、優先すべきは彼女を愛すること。
背中がどうなっているのか判らない。
でも、彼女は気がつかず、俺を受け入れる。
ただ結城だけが、その場で立ちすくみ、俺は果てた後、気を失った。
ただ倒れたとき、最悪な事に、包丁はさらに深く俺に突き刺さる。
それは、悲劇。
ただ、好きと言う感情の暴走。
その中間に立った一人の男は、命をなくした。
誰が悪いのか、それは判らない。
ただ、それは起こった。
「バカ…… 死んじゃったら、気持ちが伝えられないじゃない」
それは複雑な乙女心と、優柔不断が起こした惨劇。
ただ、素直に成れず、ちょっと言った言葉に彼は従い、愛憎により命を落とした。
そう彼女は、彼が好きだった。
でも聞かれて、素直に言えず。とっさに出た相手の名前。
それが結城だった。
なぜそんな事を言ったのか、判ったと答えたときの悔しそうな顔で、彼の心が判った。
でも、彼は、私のために一生懸命で、本当の事が言えず。
一回デートをするだけで、断ろう。
だけど、彼からどうだった? 楽しかったか? そう聞かれてうんと答え、次の約束を頼んでしまった。
でもさすがに、結城君とするのは…… そう思いながら、なんとか止めようと思っていた。
だけど彼の方が、動きを止めた。
そしておもむろに電話を始める。
「無理だ」
「判った、今から行く」
彼の声?
どのくらいだろう?
泣き始めた結城君、そしてやって来た彼。
私たちを見て、泣きそうな顔。
今言わなきゃ、結城君も傷つけてしまう。
だけど、彼の言った言葉……
「結城脱げ、いつもの様に」
いつもの…… えっ?
「えっ、あっうん」
なに、結城君の嬉しそうな顔。
「鈴ちゃんは寝て」
私は、訳が分からずに従う。
結城君は私の上に覆い被さる。
何これ?
あっ、ちょ下着……
そう思ったら、目の前で結城君が嬉しそうな顔。
何が起こっているの?
そう思っていたら、私の、触られている?
もうパニック。
「結城のだから」
「ちょっとまつっ、くっ」
中に入ってくる。
そんな、違う……
悲しくて、だけどどうしようもなくて、結城君にしがみつく……
だけど、その後、変わったのが判った。
悲しいのか嬉しいのか、でも……
嬉しい……
今こそ…… 言わなきゃ…… そう思っていたのに……
彼は、彼女の愛を掴むために、一線を越え悲劇が起こる。 久遠 れんり @recmiya
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