修学旅行7ヶ月後。

優月side


〜翌年〜

〜7月〜


はい。ってなわけで7月です。

そして3年生です。

俺達5人は奇跡的に同じクラスになった。

そして担任も奇跡的に同じだった。

いやぁ、楽しいクラスですよ。


そして、俺はこの『女の子』の生活に慣れていた。


今日は沖縄に行く日。

俺は三重の南らへんにあるという父さんが所持する別荘にほか4人と来ていた。


「…いやでっかぁ…」


…別荘って言うより屋敷じゃん。なにこれ何に使うのさ。

あと、他の4人はでかい屋敷過ぎて言葉を失ってるようだ。


「いま、何に使うの?って思ってるね?社交辞令だよ。」

「あぁ…」


俺はそれで納得してしまった。

ここでパーティーとかしてんだろうな。と。

すると、俺達の近くに誰かが走ってくる。

その人はロングスカートを着たメイドさんだった。


ん?なんでメイド…?

まさか…

俺は怪しげな目で父さんを見る。


「…え?いや僕はいやらしいことはしてないよ!?」


…いや、なんでメイドなんだよ。


という質問は放って置く。


「皆様、はじめまして、それと、優月様…いえ、お嬢様、ご主人様。お久しぶりです。」


うん。見過ごせないね。

なんでご主人様なんだい?

俺はそういう面持ちで父さんを睨む。


「いやいや、彼女のあの呼び方は彼女が勝手にやってるだけなんだよ。」


と、父さん。


「はい、そうでございますよ、お嬢様。私が勝手に呼ばさせてもらっているだけなのです。」

「そ、そう…」

「それよりも、お嬢様。見ない間に、ずいぶん見目麗しゅうございまして…」

「あはは…私も、願ったわけじゃないんだけどね。」


と、俺は返す。


「ちょちょちょ、ちょっとまったぁ!なんで優月はそんななんてこと無いような顔して喋ってるの!?」

「いや、多分、この人は自分の信念を貫く人なんだなって。」

「ま、まぁそうかも知れないけど。」

「…ところで、お嬢様。あちらの方々は?」

「あぁ。紹介するね。」


俺は懐子に向かって歩いてゆく。


「こちらは伊東懐子。」

「はじめまして!夏子と申します!」


少し緊張気味で懐子が言う。


「そして、こちらは篠原真耶。」

「はじめまして。真耶です。」


と、こちらはいつも通りに挨拶する。


「次に、大久保泰我。」

「はじめまして、優月さんの友達の、大久保泰我です。」


と、丁寧に泰我が挨拶する。

さすがまとも枠。


「最後に、杉本練人。」

「は、はい!す、杉本練人です!」


…杉本は相変わらずだな。

緊張しきってる。


「懐子様、真耶様、泰我様、そして練人様ですね。私は『清水結しみずゆいと申します。」


と、メイドさん…もとい、結さんが言う。

お…おぉ。杉本。お前この小説で初めて下の名前で読んでもらったんじゃないか?


「では。行きますよ。お嬢様方。パイロットとコパイロットがお待ちです。」


と、俺達は結さんにつられて、プライベートジェットの方へ向かっていった。



















「「「「…」」」」


今、プライベートジェットが目の前にあるのだが…

ほか四人は絶句してる。

え?俺?

俺はなんか『懐かしいなぁ』みたいな、懐かしさ感じてる。


すると、パイロットさんたちが話しかけてきた。


「こんにちは。今日、飛行機を運転させていただく、パイロットです。そしてこちらが、」

「コパイロットです、よろしくお願いします。」


この人たちは、現役パイロットさんなので、身バレ防止ように、ネームタグなどを一切つけていない。


「「「「よろしくお願いします。」」」」」

「よろしくお願いします。パイロットさん。」

「えぇ。神谷さんのお嬢さんと、そのお友達は安全にお連れさせていただきます。」


と、パイロットさんは言う。

あー。まぁそうか。

世界的にも有名な企業である社長の父さんのご子女…つまり俺だ。…を運転ミスなどで他界他界させてしまったら大惨事になってしまう。


「さて。お乗りください。」


と、パイロットさんが言う。


俺達は飛行機内に乗っていく。


俺達は席につき、その前に結さんが座る。

俺は父さんに手を振る。


そして、プライベートジェットは沖縄の別荘へと飛び立った。



















〜沖縄〜


「綺麗…」


開口一番、つぶやいたのは懐子だ。

まぁ、それもしょうがない。なにせ、眼の前に広大な海が広がっているのだから。


「さて。皆様。まずは別荘の方へと行きましょうか。」


と、結さんがいう。



















〜別荘〜


「わぁー!ひろーい!」


と、杉本がはしゃぐ。


「ここが、居間です。そしてその隣が寝室となっており、女性部屋と男性部屋とで分かれております。」


と、ゆいさんが説明してくれる。


「皆様は、2泊3日…と言っても、三日目の朝に帰る予定でございますので、ご了承ください。」


と、ゆいさんが言う。


「「「「「わかりました。」」」」」


と、俺達は結さんにいう。


「いえ、これがお仕事なので。」


と、結さんがいう。


「ねぇ、早速水着に着替えようよ!」


と、懐子が言う。


「え、はや…」

「はやくはやく!」


と、俺は懐子につれられ、適当な部屋へと連れて行かれる。






















〜数十分後〜


俺は部屋でためらっていた。

他の奴らはもう着替え終わって部屋を出ていったらしい。

後は俺だけ…なのだが。


「うぅ…恥ずかしい。」


ちなみに、更衣室?の中にはちゃんと試着室みたいなボックスがあったため見られずにすんだ。

…済んだのだが。


「…無理だよぉ…」


はぁ、なんでこんな事になってしまったのだろうか。

そんなことを考えながら、俺は渋々扉を開けた。


side out




















更衣室の前。

そこには、すでに四人が揃っていた。


泰我は紺色のズボンに群青色の薄い上着を着ている。

杉本はそれの黒バージョンみたいな感じだ。上は緑だが。


懐子は白いレースの付いたビキニをつけていて、その上に薄い黄色の上着を羽織っている。


真耶は濃い紫のセパレートタイプの水着を着ている。

ちなみに、肩出し腹出しだ。


その四人は、あるひとりの人物を待っていた。


「…来ないね。」

「遅くね?」


彼ら彼女らはちょっとばかし不満なようだ。

しかし、その不満は次に瞬間に吹き飛ぶこととなる。


『ガチャ』

と、扉が開いた。

その扉に全員の視線が向く。


「ちょっと優月!?遅い…よ…」


懐子の言葉が減衰する。


中から出てきたのは、黒いビキニに、白いパレオがついている水着の上に、少し裾を結んだ白いTシャツを着た優月が立っていた。


その度を超えてもはや神々しいとも言える姿に、全員が見とれた。


「…ちょ、ちょっと。あんまり…見ないで。」


そう頬を赤らめながら言う仕草に。ひとり、倒れたものがいた。


『バタン』


「えっ…?懐子ー!?」


そう、懐子だった。


(えへへ…私、幸せ…)


…少し危ない人の香りがする。




















優月side


「はは…大変でしたね。お嬢様。」


と、水着姿の結さんが言ってくる。

結さんは、シンプルに競泳水着の上に白いTシャツを着ている。


「えぇ。本当に。」


俺は心底疲れたように言う。


別荘の扉は開け放たれており、そこから熱気が押し寄せてきている。

さらに、外には、仲良く遊ぶ、4人組の姿が。


「…仲良くって言うよりも、懐子と杉本が突っ走って、それを真耶と泰我が止めてる感じか…」


うん。なんかかわいそう。


「お嬢様は、行ってこないのですか?」


と、結さんが聞いてくる。


「いえ。私は、お礼を言わなければならないので。」


俺は。近くにいる、アイスを食べている二人と、結さんに向かって体を向ける。


「皆さん、私達をここまで連れてきてくださり、ありがとうございます。」

「いや、神谷さんが礼をいうことじゃ無いですよ。」

「そうですよ。私達は好きでやってるのです。」


と、パイロットさんたちが言う。


「いやでも迷惑が…」

「お嬢様。私達は、迷惑だなんて思っておりません。むしろ、光栄だと思っております。こんなこと、人生に一度、できるかわかりませんから。」


と、結さんがそう言うと、近くの2人も頷く。


「そう…ですか。ありがとうございます。」

「さて。外に行ってこないのですか?」

「…外に、行きたくありません。」

「…あー。それは私もわかります。お嬢様。」



















〜数時間後〜


結局俺はあの後海にはいかなかった。

やったね回避だ!


「明日は絶対に来てもらうからね。」

「ハイ…」


まあ、明日は逃れられないけど。


「皆様。食事の準備ができました。」


と、結さんが呼んでくれる。


「わかりました。さて。行くよ。」


俺はみんなを呼んで結さんについていく。



















〜部屋内〜


その日の夕食は高級そうなステーキだった。

ちなみに、俺以外のみんなの水着は、備え付けの、乾燥機能付き洗濯機で洗濯してもらっている。


「ねぇ、ふたりとも、恋バナしよ?」


と、懐子が言ってくる。

それに対して、俺は、否。俺達はこう返した。


「「は?」」



















〜2日目〜


結局あの後、雑談に変更となった。

恋バナ?なにそれ美味しいの?


朝食は高級そうなサンドイッチでした。

すごい美味しかったよ!


そして、いま、俺は海へと連れてこられています。


「えいっ!」


と、懐子が水をかけてくる。

俺は、それがいきなりだったため、


「きゃあ!?」


という声を上げてしまった。


「やったね!?それっ!」

「きゃあっ!」


…こんなことして何が楽しいのだろうか。

正直中学校のプールの時間にも思ってた。

…なんか、これ楽しいの?

って。ただ泳ぐだけじゃん。あれ。


まぁ、そこはこいつらに合わせておくか。


あ、てか白シャツ透けてる。


ん?杉本こっちに走ってくる。あ、コケた。俺の数センチ前で…!?


(これ、ぶつかってくんじゃん。)


そう思ったのもつかの間、俺は押し倒されてしまう。


『ドサッ』


そして、起き上がろうとした杉本の手が、何かを掴む。


『ギュム』


「…?」


杉本はこれが何なのか、わからずもう一度、二度と握り込む。


『ギュムギュム』


「〜〜〜〜っ!?きゃ、キャアァァァァ!?」


俺は叫び、杉本を押しのける。


「わぁ!?」

「ふーっ。ふーっ。」


俺は、先程杉本に胸を揉まれた・・・・・・

なんか、握り込まれるたびに変な感覚が走って、力が抜けそうだった。

あれが快感…


うん。やめよう。

BANされる。


さて。俺は顔を真っ赤にしながら杉本をお姫様抱っこし、そして。


『ザパーン』


と、海に放り投げた。



















〜数分後〜

杉本は自力で生還してきた。

しかも怪我一つ無い。


すごいねギャグ補正。


…修学旅行に懲りずにここでもやるとは…許せん。


俺はとりあえず男子組からは離れることにした。

あいつらのところにいたら次いつセクハラされるかわからん。



















〜数時間後〜


「皆様。こちらへお越しください。」


と、結さんが言う。

なんだろう。



結さんについていくと、そこは小さなバーベキュー会場になっていた。

へぇ、今日はバーベキューなのか。


「美味しそう!早く焼こうよ!」

「そうだね。早くしよう。」


と、俺と懐子は肉をやこうとする。

すると、


「ちょ、待って待って待って、これ…高級肉だよ?そんなぞんざいに扱っていいの?」


と、泰我が言ってくる。


「た、たしかにもったいないかも。」

「え、この肉ってスーパーとかに売ってるやつじゃないの?」


なんか懐子が同感してるけど、俺は聞いた。

すると、


「「「「は?」」」」


というのが帰ってきた。


「いやどう見ても違うだろ。まずこれ牛肉。しかも霜降り。」

「え、いつも家これだよ?」

「いやそんな馬鹿な…」

「…お嬢様のお家は、毎回、お肉はこちらを使っております。」

「「「「え…」」」」


へえ、これって高級肉なんだ。

まあ、そんなことはお構いなしに焼くんですけど。

ほか四人が絶句してる中、俺と結さんは肉を焼き始めた。


「みんなも来なよ。美味しいよ?」


俺はあいつらを呼び寄せる。

そうしないと来ないし。



















〜部屋〜


…あれも、色々あった。

杉本が生焼けで取り出そうとしたり、杉本が取る皿を間違えたり、杉本が…

って杉本しか問題起こしてねぇ。


「はぁ。今日でおわりか。」


と、懐子が言う。


「はは。まぁ、色々あったね。」


俺は言う。


「でもさ、まだ、何十年もあるんだよ。だったら、また来れるじゃん。」


と、俺は修学旅行のときに懐子に言われたことをそのまま返す。


「たしかに。そうだね。よし。絶対また来ようね。」

「わかった。」


と、その会話に、真耶が割り込む。


「そのときは、また父さんに頼むよ。」


と、俺は言う。


「さて。そろそろ寝ようか。」

「そうだね。」


俺は就寝を促す。

そして、あたりは静かになった。


(また、これたらいいなぁ。)



















〜翌日〜


「皆様、2日間楽しんでもらえましたでしょうか。」


と、結さんが言う。


「はい。とてもたのしかったです。」


と、懐子が言う。


「それは良かったです。それでは、お乗りください。」


俺達は飛行機に乗る。

そして、飛行機は、飛び立つ。


俺達は、2日間過ごした沖縄を後にするのであった。



















〜飛行機内〜


「あ、そういえば。」


と、俺は結さんに話しかけられる。


「この度、私、『お嬢様専属の』メイドになりましたので、今後とも宜しくお願いいたします。」


俺は飛行機内で重要なことを聞いた。


――これから、おとなになっても家に結さんと、ひとつ屋根の下生活が続くが、それはまた別のお話。

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修学旅行直前にTSするとかあり!?〜直前過ぎて部屋とかアレだけどハプニングとか無いよね!?〜 暁月 しゅか @akatukisyuka

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