番外編

修学旅行2日後。

優月side


「はい!皆さん、3泊4日の北海道旅行、どうでしたか?みなさんも、見学地で様々なことを学んだかと思います!さて、今日は、それを新聞にしてみましょう!」


と、先生が言う。

しかし、教室内はシーンとしている。


…そりゃそうだ。あんな楽しいこと終わった後に新聞とか書きたくない。

まぁ、でも、修学旅行なんてそんなもんだよね。

だって“一応”、『勉強』なんだからさ。


諸君の気持ちもわかるよぉ?

嫌だよねぇ、面倒だよねぇ。

でも、やらなきゃいけないんだ。

強制だし。

つまり?俺達は逃げられない。


「逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…」


…ちなみに、これ杉本。

こいつ知ってんのかな。元ネタ。


『シ◯ジ…エ◯ァになりなさい。』


あ、間違えた。


『エヴ◯に乗りなさい。』


だ。

◯ヴァに“なって”どうするなって。


「杉本?そうやって現実逃避しても変わらないよ?正直、私も嫌だし。」


…はい。口調でわかったかも知れませんが、俺の口調が、女口調になりました。

頭の中で考える分には前の口調何だが…

声に出そうとすると女口調になってしまう。

修学旅行で、変わってしまいましたとさ。

まぁ、そこまで悲観する必要ないし。

逆に将来役に立つよ。


「でも、優月ぃ…」

「はい。つべこべ言わない!みんなと一緒にやるよ。」

「わかったぁ…」





















〜数分後〜


はい。俺達の担当が決まりました。

こんな感じ。


『羊ヶ丘展望台』

懐子


『五稜郭及び函館山』

真耶


『旭山動物園』

杉本


『白い◯人パーク』

泰我


『小樽』

優月


まぁ、適材適所ってやつだよね。





















大体新聞はできた。

羊ヶ丘展望台には、クラーク像のことなどが書かれている。


五稜郭は、建てられた歴史や、現在はどのようになっているかが書かれている。

さすが歴史好きの真耶だ。


函館山には、ご丁寧にも写真が貼ってあり、函館のどこに位置するかが書かれている。


旭山動物園には、どのような取り組みを行っているかや、自分たちが見た動物が書かれている。


白い恋◯パークには、製造する手順や、工夫が書かれている。


そして、小樽には、自分たちが言った店や、食べたものを書いた。


後は、色などをつけるだけ。

正直、一日で終わりそうなのはでかい。





















「「「「「できた!」」」」」


新聞、完成。


「わっ!早いね!」


と、先生が驚いている。

うん、俺も驚いている。

だって早いもん。

周りの班みんな今書き始めたばっかだよ?

優秀じゃね?


「これでいいの?」

「「「「「はい。」」」」」

「そう。なら、各々好きなことやってていいわよ。」


と言われ、俺達は雑談する。

すると、唐突に、


「ねぇ、来年の7月、海いかない?」


と、懐子が言い出した。


「なんで海?」


俺は聞く。


「ほら、今回、北海道言ったじゃん。なら、今度は反対側、行ってみたくない?」


あー。そういうこと。


「ま、まて、君等3人はいいかもしれないけどさ、俺等どうすんの。男だよ?」


あ…うん。たしかに。


「え、それが適応されるのなら私も元・男だよ?」


正直に言う。7月とかそんなめっさ暑い日に海なんて行きたくない。

涼しい家で一人でゴロゴロしていたいよ。


「え?君たち3人も来るんだよ?」


あー。終わった。ほんっとーに終わった。


「え、金は?お金どうするの?」


と、杉本が問う。

そう、それは俺も言おうと思った。

思ったんだけどなぁ…

それがさ、問題があるの。


「それなら関係ない。ねぇ?」


と、真耶がこちらを見てくる。


みんな、思い出して欲しい。

俺の父さんの職業が何だったのかを。


…そう『IT企業の社長』だ。

つまり、金ならあるんだよ。

そして、なんかなんなら沖縄に別荘まで持っていやがる。

つまりだ。


「…えと、わ、私の父さん、俗に言う『金持ち』で、お、沖縄に別荘持ってて…多分、私が頼んだら即OK入ると思うから…」

「…ね?」


と、懐子は勝ち誇ったように言う。

…すまん。すまんな泰我、杉本。

俺だって悪気があるわけじゃない。


「ってなわけで、よろしく。」

「は、はいぃ…」


女の子って、怖い。





















〜神谷家〜


「ただいま。」

「おぉ、おかえり優月。」


はい。俺が家に返ってくると、父さんが出迎えてくれた。

…なんか、今日父さんは早く帰ってこれたらしい。

そのことは事前に母さんから聞いていたので驚きはしない。


「おかえり、お兄ちゃん!」


と、心晴もやってくる。


「お兄ちゃん、どうしたの?楽しい事でもあった?」


と、心晴が問う。

心晴…そうやってちゃんと喋ったの、何話ぶりだ?


「いや、その、父さんにお願いがあって。」

「ん?どうしたんだい?まぁ、まずは上がりなよ。」

「うん。」





















〜リビング〜


なんか、俺が話したいことがあるというと、家族全員が集まってきた。


「で?なんだい、お願いとは。」


はぁ。言うしか無いか。

俺は観念して父さんに話す。


「実は、さ。来年の7月、友達が海行きたいって言い出してさ、んで、お金とか色々いるじゃん?それでさ思い出したの。父さんさ、沖縄に別荘持ってなかった?それを、私達が使わせてほしくて。」


そのことを言うと、父さんは


「なんだそんなことか!もちろん大歓迎だよ。よし。プライベートジェットと、使用人を1人つけるか。」


と、とてつもないこと言い出したので、


「え、人いるの!?」


と、聞いてしまった。


「え、いるよ?しかも優月、あったことあるよ。」

「え…えぇぇぇぇ!?」


と、叫んでしまった。





















〜夜〜

俺は、ロイングループ通話で他の四人に言う。


「えと、沖縄の別荘の件、大歓迎だってさ。」

「やったぁ!来年が楽しみ!」


はぁ…確定してしまった。

まぁ、いいか。楽しそうだし。

…俺は、少し楽しみになりながら、来年の7月に思いを馳せた。

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