修学旅行最終日。
優月side
「んん〜。」
と、俺は伸びをする。
今日は修学旅行最終日。
「…早いなぁ。」
いやほんとに早い。
何かしてると時間が立つのって早いんだよなぁ。
ほんっと。もっと遊びてぇよぉ…
「…ま、いいか。とりあえずこいつら起こすか。」
俺は着替えてから二人の体を揺する。
「おーい。起きてー。ふたりとも〜。」
「ん…」
「あと…5分…」
「はぁ…」
俺は全く起きない二人に呆れる。
あ、そうだ。
「起きないのなら仕方ない。もう一回デスメタルを…」
「「は、はい!起きます優月様!」」
「それで良し。」
俺がスマホを取り出し、操作しようとすると、二人が起きてきた。
なんだ。最初から起きればよかったじゃん。
俺達は札幌のホテルを出て、小樽内へと向かった。
え?荷物?トラックだよ。
ただいま8時30分。めっちゃ早いね。
ちなみに小樽では散策をするつもりだ。
…木刀買うやつ絶対いるじゃん…
ただいま、午前9時。
無事、小樽市内へと到着しました。
「おぉー。」
と、懐子。
小樽かぁ…初めてきたわ。
「早く行こ!」
と、杉本。
おい。テンション下げろ、迷惑。
「うるさい。黙って?」
と、泰我。
ありがとう泰我。お前がまとも枠でよかたよ。
「はしゃぐな。杉本。」
と、真耶。
あなたは…うん。まとも寄りのボケ。
…え?俺?
しらん。
自分がどの立場かなんて興味ない。
「とりあえず、行くよ?」
俺達は修学旅行最終日、小樽の街を探索し始めた。
いやぁ…この感じ、おかげ横丁とか鎌倉思い出すわぁ。
ちなみに、さっきの2つは歴代の、修学旅行での自由散策のとこです。
ちなみに、小樽名物は寿司?海鮮丼?とかだったかもしれないけど、うん。
海鮮食べられない人いるからさぁ…
ってことで。
「あ、ここかな?」
俺達は探していた店を発見する。
そこで何が食べれるかって?
それはな…
俺が正解を心のなかで言う前に泰我が発する。
「ここか。『小樽あんかけ焼きそば』が食べられる場所。」
…むぅ。
取られた。
「え、どうした優月。もしかしてここ嫌だった?」
「いや、そんなんじゃない。」
…いけないいけない。
俺としたことが、いかにも『不機嫌ですよ』っていうオーラを出してしまっていたみたいだ。
「そう。」
「ほら、早く行くよ?」
と、懐子が俺達二人に言ってくる。
…いつの間にか中にはいっていないのは俺達だけになっていたようだ。
「「はいはい。」」
俺達二人はそういい、店に入る。
もっとも、声が被った瞬間、二人で顔を見合わせたが。
「はぁ。お腹いっぱい。」
と、杉本。
「杉本さ、もうちょっと食べたほうがいいんじゃない?今は女である私と同じぐらいの体の細さって、どうかしてると思うよ?」
「そんな事言われても…」
いや、君が異常なだけだから。
ほんとに男?
…っていうのは差別になっちゃうからやめようね?
キャベツ…じゃなかった。差別、ダメゼッタイ。
「ねぇ、次はどこ行こっか!?」
と、懐子が言ってくる。
「うーん。そうだねぇ。」
俺は悩む。
いやぁ、店が多いんだよ。
「あれとかいいんじゃない?」
と、真耶が指さした先にあるのは…アイスクリーム屋。
皆さんは、アイスは夏派?それとも冬派?
俺は外だったら冬だけど、屋内だったら夏だよ。
全部合わせてどっちかと言ったら冬かな。
え?春派や秋派の皆さんは?って?
それもいいと思いますよ!
なんてったってこの世は多様性の時代だから!
ちなみに、季節だったら秋で、きのこたけのこだったらたけのこ…おっと、誰かが来たようだ。
俺は脳内でそんなくだらないコントをしつつ、店に入った。
「うわでかぁ!?」
杉本が持ってるのは、小樽名物、『8段ソフトクリーム』だ。
いやでかいね。
さっき俺も、真耶と懐子に、
「「優月もそれ食べろよ」」
と言われたのだが、俺は満面の笑みで、
「いや、今の私女なんだよ?そんなん食べれるわけ無いじゃん。」
と、言った。
なんか二人は青ざめてたけど、いいよね!
ちなみに、俺が食べてるのは、『牛乳ソフト』で、泰我が『アイスコーヒー』、真耶が『メロンフロート』、懐子が『夕張メロンソフト』だ。
「杉本それ食べられるの?」
と、笑いながら懐子が問う。
「いや、私は無理だと思うけどね。」
「それよりも、杉本こぼすなよ。」
俺が無理だと言った後に、泰我が注意する。
「そんなことわかっとるし、誰がこぼすかよ。」
と、杉本が強気で言う。
「え、お前やろ?」
と、真耶が言う。
「はぁ!?」
杉本が憤慨する。
その拍子に、ソフトクリームが少し揺れ…
「「あ、あぶないあぶない!」」
泰我と懐子が言う。
「「…ばかちゃう?」」
と、俺と真耶が言う。
「ねぇ、ここに来たの、間違いだったのでは?」
と、俺は真耶に言う。
「ほんと、そうかもしれんわ。」
真耶は呆れていた。
〜バス内〜
はい。あれから、1時まで小樽を散策して、新千歳空港にいって帰ってきたバス内です。
「いやぁ、楽しかったわ。」
と、懐子が言う。
「ほんとうにな!」
と、杉本がいう。
「はしゃぎすぎ。」
杉本の隣りにいる泰我は耳を抑えていた。
「うるさい。」
あーあ。真耶に叱られた。
…なんか、シュン…ってしたんですけど。杉本。
わかりやすいなぁ…
「あはは」
俺はそんな様子を見て笑う。
いやぁ…この4日間いろんなことがあった。
…泰我と杉本は許さん。
…俺が感傷に浸りながら、窓の外を眺めていると、
「どうしたの?優月。」
と、懐子が話しかけてきた。
見ると、なんか席を倒してきていた。
「あ、言ってなかったけど、倒していい?」
「うん。いいよ。」
聞いてきた懐子に、俺は二つ返事で了承する。
「それで、なんでそんな顔してるのさ。」
「いや、これで終わりだと思ったら、悲しくて。」
俺は内心を吐露する。
『この時間をまだ続けていたい。』
そんな願いを。
「三日目にも言ったけどさ。まだ1年あるんだよ?しかも、人生なんてまだまだ長いわけだし。こんなの、人生に比べたら月とすっぽんさ。」
「月とすっぽん…そう、だね。」
月とすっぽん。そうきいて、俺の中にあったわだかまりは少し消えた。
どこか、その言葉をきいて安心した節があるのだろう。
「また…行きたいなぁ。」
俺は内心にあった気持ちをつい吐いてしまう。
「行きたい、じゃなくて、『行く』の。いつか、絶対。」
そんな懐子の言葉に俺は顔を上げる。
いつの間にか、泰我も、真耶も、杉本も、そして懐子も俺の方を見ていた。
俺がみんなの方を向くと、みんなは一斉に頷く。
「そう…そう、そうだね。また、みんなで行こう。」
俺はここで、わだかまりが全て取れた気がした。
〜学校〜
学校に着くと、すでに色んな人がいた。
他の人の家族や、地域の人。
さらには、土曜日だってのに先生までいるもんだからびっくりだ。
俺達はバスから降りる。
そこで生徒たちは解散なのだ。
俺は他の4人の方を向く。
「みんな、ありがとう。また、火曜日。」
月曜日は修学旅行代休で、3年生は休みである。
「うん。またね。」
と、懐子が笑顔で言う。
「じゃあ、また。」
と、真耶があまり感情を読み取れない真顔で言う。
「またね。」
と、杉本がニカッとした満面の笑みで言う。
「また火曜日。」
と、泰我が口元に笑みをのぞかせて言う。
俺達は踵を返す。
さて。これで長かった修学旅行も終わりだ。
家に帰ろう。
俺は母さんと心晴が待っている車へと行く。
そして、後部座席を開けたとき、
「優月。」
「お兄ちゃん。」
と、一斉に声がかけられる。
おそらく、この後に続く言葉は一択であろう。
ならば、俺が返す言葉も一択だ。
「「おかえり。」」
と、半ば予想していた言葉に、俺はこう返す。
「ただいま。」
と。
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