“視点”が世界を変える――新感覚学園ミステリー

『歪み探偵鎮村透華の事件簿』は、日常の中に潜む「歪み」や思い込みの危うさを巧みに描く、知的な学園ミステリーです。

　透華の鋭い観察眼と柔軟な発想で、ありふれたはずの校内に次々と謎が立ち現れ、それを仲間たちと共に解き明かしていく過程が本当にスリリング。事件そのものはもちろんですが、心理学や日常のちょっとした視点の転換が物語に深みと面白さを与えてくれます。

　時に深刻、時にコミカルなやり取りが物語を彩り、キャラクター同士の友情や成長が優しく物語を包み込んでいます。特に、「先入観を疑うこと」や「自分の偏りに気付くこと」の大切さが物語の芯になっていて、読み終わった後、自分自身の日常や人間関係にも新しい発見が生まれることでしょう。

　また、ミステリー好きはもちろん、青春ものや学園ドラマが好きな人、心理描写やキャラクター同士の掛け合いを楽しみたい方にもおすすめ！

　読む人の視野を広げてくれる、優しさと知的興奮にあふれた作品です。