ミ◯キーを池に落とした先輩

スイセイムシ

第1話 ミ◯キーを池に落とした先輩


ミ◯キーを池に落とした先輩。




主に東海地方で有名な都市伝説で、内容は修学旅行に行った先輩がミ◯キーを池に落として自分の所属している中学校が夢の国を出禁になっているもしくは過去に出禁になっていたというものです。




この都市伝説の特徴的なところは特定の学校ではなく、いくつもの学校がこの都市伝説されており、ミ◯キーを池に落とした当の本人である先輩の正体は誰も知らないところ。




全ての学校でミ◯キーが池に落とされていた3桁以上池に落とされたとされていることになるのでとんでもない話ですよね。




これだけだったらちょっとした面白い都市伝説程度なのですが、実際のところこの都市伝説には人を取り殺すような凶悪な呪いが仕込まれており、非常に危険なものです。





この都市伝説を知っていなかった人はもちろん、知っている人もこの都市伝説の対処法を知っておく必要があります。




まず対処をする重要な始めの手順としてこの呪いが成立した当時の状況を知っていきましょう。





今から26年前に3人の中学生が修学旅行で夢の国を訪れていました。





その中学生たちは日頃から常に一緒にいる女の子たちでその日も一緒に行動していました。




夢の国での自由行動時間中ギリギリまでミ◯キーに会えなかった彼女たちは船の見える大きな池の前でスタッフも携えていないミ◯キーがポツンといるのを見つけて大はしゃぎました。





人気者のミ◯キーの周りに誰もいない違和感より見つけた興奮の方が大きくて彼女たちは気付きませんでした。





3人のうち1人が我先にとミ◯キーに向かって抱きつきに行くと勢いを殺されていたと言うのに触れた瞬間にミ◯キー弾かれたように落下防止用の柵を越えて池の中に吹っ飛んでいきました。





あまりのことに3人が呆然として池の中に首まで浸かったミ◯キーを見つめるとミ◯キーは振り向いてきました。





そこにはミ◯キーの顔ではなく、幾つもの顔を潰して固めたような顔が見えました。





それはミ◯キーではなく、邪悪な何か・・でした。





当日恐怖でご飯も喉を通らなかった3人でしたが、修学旅行から戻って1週間してもあの時の出来事が嘘だったかのように何も起こりませんでした。





3人のうち2人が夢の国での出来事を笑い話とし話すようになるとあの邪悪な何か・・は再び現れました。





夢の国での出来事を話さなかった女の子と笑い話として聞いた同級生、そして何か・・を突き飛ばした女の子の叔父の名前を夢枕に立って告げると何か・・は消えました。





翌日名を呼ばれた人たちは皆死んでいることがわかりました。





残った2人は悲嘆に暮れ、夢の国の出来事を話せば死なないことだけを察すると必死に周りに広めました。




彼女たちの恐れていたことは的中し、何か・・は彼女たちの夢の中にその後も名前を呼び続け、彼女たちの話を聞いた人たちが取り殺され続けました。




今もまだ何か・・は彼女たちの前に現れ続けています。





何か・・が取り殺す人には規則性があるようで、この夢の国の出来事を伝聞で聞いた本人もしくはその家族が取り殺されています。





殺される人数は決まっておらず、その時々次第で1人の時もあれば100人以上の時もあります。







お分かりになったでしょうか?






3人の女の子が夢の国で遭遇した出来事を聞いた人は呪われます。






今あなたにも呪いが伝染しました。







申し訳ありません。






もうすぐ初孫が生まれてその子を取り殺されないようにこうするしかなかったのです。







私が何か・・の呪いを広めた元凶、ミ◯キーを池に落とした先輩です。



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ミ◯キーを池に落とした先輩 スイセイムシ @ryutouhebi

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