最終章 経緯、瞬間、終わり

「で、なんで透明人間になったのかというと」

私は目を開いて、元明に注目した。私も元明も顔が赤い。

「まず言っとくが、俺は今も天音がまだ好きだってこと、思い出した」


「え、、!」


「だけど、父親の仕事の都合で引っ越すことになった。本当は辛かったけど。ただ天音がそう勘違いしただけだった。俺は無事だし、今も天音が好きだよ」

元明は話を続けた。私は涙をぐっとこらえながら、耳を澄ました。

「目が覚めたら、透明になってた。恐らく、父が作った薬のせい。朝、転んで記憶が少し飛んだんだと思う。だから、妖怪でも伝説でもなんでもない」


「だから。付き合ってください」


「はい!でも良かったです、無事で」

言葉が出てこなかったので、とりあえずそう言っとく。……あれ?そういえば。


私、告白されたの!?

数年前から好きな子に!?

ますます恥ずかしくなってきた~!


「その前に言います。もう2度と、紛らわしい事しないでください。そして」

もう2度と、どうか透明にならないでください!ずっと一緒にいたいから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

どうか透明にならないでください! ふわふわうさぎ @huwahuwausagi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ