変態彼氏のセックス事情

声兎

変態彼氏のセックス事情

 一見、真面目そうな彼氏は、“超”がつくほどの変態だ。


 優しくて、堅実で、何事にも率先してやってくれる彼氏。セックスする時も、普通に気持ちよく、毎回満足している。

 そんな彼氏の変態の片鱗へんりんが見えだしたのは、彼氏が、脇舐めプレーをしだしてからだ。

 何ともない普遍的な日常に起きた奇行。彼氏は、唐突に私の手首縛り、身動きできない私の汗まみれの脇を舐めてきたのだ。脇を舐めるなんて、アダルトビデオの中だけだと思っていたけど、現実でそんなことやる人がいるとは思わなかった。

 嬉しそうに舐める彼氏にドン引きした。俗に言う蛙化現象だ。

 でも、何故かそんな彼氏のことを、心の底から嫌いにはなれなかった。

 

 違う日には、「おしっこが飲みたい」と言ってきた。彼の真剣な眼差しに負け、私は彼の口に優しくおしっこを注いだ。彼は一滴もこぼさず、私の膀胱が空になるまでおしっこを飲んでくれた。そして、ちゃんと尿道口を舐めて掃除してくれた。


 また違う日には、「うんこが食べたい」と言ってきた。どうしてなのか理由を訊くと、「君の全部を愛しているからだ」と言い、それに私はどう返事をしていいか迷った挙句、「ありがとう」と、小っ恥ずかしくなり、彼の顔にしわの寄った茶色い肛門を近づけ、私は力みながら、「本当にいいの?」と、最後通告をし、オナラ混じりのねっとりした音を出しながら、彼の口にうんこが入っていった。しかもその時は快便だったのか、勢いよく大量の良質な程よい茶色のうんこが出てきた。彼は、それを口いっぱいに頬張り、じっくり咀嚼そしゃくして味わっていた。彼の口からは、とてつもないうんこ臭が漂っていた。

 私の体から出たうんこを美味しそうに食べている彼氏の姿に、何故か愛を感じた。私から生まれたカスを、大切に綺麗に味わっているのだから。

 彼は、私のうんこまみれの汚い肛門も、きれいに掃除してくれた。


 今度は、「私のゲロを食べたい」と言ってきた。「流石に無理だよ」と、私は拒んだが、彼のなんでも受け入れてくれるマインドに、癒しと快感を覚えた私は、「仕方ないな」と、彼のそばにより、口と口を近づけ、指を口の中へ差し込み、口の奥の方をいじる。慣れていないせいか、最初はうまく吐くことができず、お互いに恥ずかしそうに笑い、2回目でようやく彼の口に注ぐことができた。勢いよく出たゲロは、彼の口に収まりきらず、私たちの体を伝い、ベッドを汚した。体内で、内臓を押し上げる感覚がわかり、生暖かい夕飯の固形物混じりにゲロが出てくる。やはり彼は満足そうに私が吐いたゲロを飲み干し、私の体についたゲロを舐めて拭いてくれた。

 ここまでは、よく見るアダルトビデオのスカトロプレイだと思うが、この前、彼の私に対する愛が爆発した事件があったのだ。


 朝起きた時、私の体にだる重さを感じた。前夜にセックスをしたせいか。それとも、連日の仕事の疲れなのかわからないが、とにかくだるかった。体温を測ったら、40,2℃もあり、流石にマズいと思い、彼氏に申し訳ない気持ちで、病院まで連れて行ってもらった。彼氏も会社を休み、病院に付き添いをしてくれた。私は診察してもらい、インフルエンザとコロナのダブル感染をしていた。

 家に帰って、ただ私は毛布にくるまって、真っ白な天井を見たり、ダブルベッドを寝っ転がったりしながら、ただじっと体内で病原体が抹殺されるのを待った。

 彼氏が買い物から帰宅してきた。家事、炊事、洗濯全てやってくれる彼氏は、台所で何かコソコソとやっていた。数十分経つと、鼻水でいっぱいの鼻腔に漂う、出汁のいい匂いがしてきた。彼は「大丈夫」と、寝室に入ってきてた。彼はおかゆ卵綴たまごとじを作っていたのだ。私はベッドから体を起こし、彼の作ったお粥を食べた。


 その晩、彼は私の体調を確認しに寝室に入って来た。

「どう?」

「まだ気持ち悪い」

 私は彼の朗らかな優しさで泣きそうになった。でも、彼の次にとった行動は、地球上の誰もが思いもつかない行動だった。

 彼は、菌まみれの私にをしてきたのだ。一気に心拍数があがり、熱が数度上がった気がした。

「う。え。何?」

 突然の出来事に動揺が隠せない。彼は何か悪いことをしたのかと、不思議そうに私を見つめている。

「ど、どうして、今、キスしたの?」

「いや、愛してるから。好きな人の好きなところも、嫌いなところも全部含めて愛したいから。たくさん愛したいから。全部愛したいから。ダメ?」

 狂ってるのかと思ったが、なぜか私は、嫌いにはなれなかった。狂愛すぎる彼の重たい愛。変態的な愛の形。不思議と、変態彼氏のことを嫌いにはなれない。脇汗も、おしっこも、うんこも、ゲロも、ウイルスも、全部含めて愛してくれる。ここまで私のことを愛してくれる人間が、この地球上にいるのだろか。

 私は、彼の性癖なのか、愛の形なのかわからないものに、性欲が湧き上がっていた。私の股間は、興奮してなのか、熱で汗ばんでいるのか濡れていた。私は愛されていることに泣いた。


 ー愛してる。


 その夜、彼の愛に抱きしめられて、

 

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