僕達の未来と終わり

@aenn510

人生

この作品から僕達はこのままでいいのか、現状はどうなのかを感じ取ってほしい。

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今日も陰鬱な朝から始まる。



何度も中途覚醒を繰り返し、眠たい眼をこすりながら顔を洗い今日という日の始まりを冷水が嫌でも現実だと知らしめてくる。

朝ご飯は毎日同じフルグラとヨーグルトという組み合わせ。飽きてきたがそれを変える気力すら僕には残されていない。

朝ご飯を食べながらゲームのデイリーを行い、出社の準備をする。会社の制服が鉛のように重たく、俺をその場に縫い付けようとしてくる。その重みさえも俺は「当たり前」だと思ってしまっている。



準備が終わり僕は死んだ魚の眼をしながら出社する。どのくらい切っていないかわからない前髪が邪魔をして今はどんな眼になっているかわからないが。

出社するときに考えることは仕事が終わった後のことだ。僕の希望は仕事後の束の間の休息しか無い。それが終わればまた陰鬱な日々が繰り返される。



僕はふと思った。いや思ってしまった。

「僕は生きるために働いているのか?それとも働くために生きているのか?」

こんな死んだ魚の眼をしながら鉛のように重たい制服を着て得れる対価は雀の涙ほどのお金。僕はなんのために生きて働いているんだろうか。子どもの頃はすべてが輝いて見えていた。だが今となってはすべてが腐って見える。そして、社会の末端である僕は所詮使い捨ての捨て駒にしか過ぎない。それは社会全体のサラリーマン全員にも言えることだ。末端がもらえるのは上流階級がこぼした少ないおこぼれのみ。それを何百万人以上が争い、奪い合っている。上から見れば底辺の争いだ。僕たちは苦労をしているのにこれほど悲しいことがあっていいのか。いや無い。上流階級が女を抱きながら高いワインボトルを開けているとき俺達は国やその上流階級の奴らのために働いている。そして僕達は「社会の歯車」と揶揄される。



そして今日も陰鬱な朝が始まる。僕は無力だ。僕は非力だ。僕は傲慢だ。こう思いながらまた灰色の世界で少し明るい空を毎日見続ける。僕、僕達の未来はもう閉ざされている。


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