シャンパン
宵音かえで
-Cadavre noyé-
青藍の帳に、媚びて煌めく灯影が舞う。
白昼の醜悪を隠して、美貌を装えば、
誰もが仮初の姿に惑わされる。
目の前の君は、そんな飾り立てた言葉で、
虚空のグラスを傾けて、
緋色のピアスを揺らした。
「朝日が昇れば、君の美しさもなかったことになるのかい」
幼稚な僕からの問いに、君は静かに頷く。
『そうかもね』
それなら僕は、稀代の大怪盗になって、
今宵、隠された太陽を盗んでしまおう。
世界で1つの首飾りにして、君に贈ろう。
君が摩耶花氏と言うのなら、
僕は、
深く、
深く、
溺死するほど、、、
君、そうしたら、僕の屍を拾ってくれるかい。
美しい君の側に、いつまでも飾ってほしいんだ。
目の前の君は、そんな舌足らずな言葉で、
満杯のグラスを掲げて、
シアンの瞳を揺らす僕に、
『枯れた私の心をも、潤せるような大きな瓶を、
私に捧げてくれたら、考えてあげる』
嗚呼、やっぱり君にはかなわない。
君の言葉にかどわかされて、
僕はまたもや
常夜の藍に及ばぬ僕はまた、白金の泡に溺れた。
シャンパン 宵音かえで @summer_maple_88
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます