色の名前だけでこれほどまでに心が動かされるとは思わなかった。黒と赤で病を、青の濃淡で絶望を、そして赤白黒で別れを歌う。特に印象的だったのは、「深藍」までたどり着いた海の底の場面だ。同じ「あお」でも、その深さによって全く違う感情が伝わってくる。私もまた、色彩に込められた作者の想いに深く共感した。