主人公のジュンがどんな結末を迎えるのか…。目が離せなくなりました。
恋人を失って自暴自棄になり、つまらない喧嘩で警察沙汰になっても、何も感じなくなってしまった。主人公の深い絶望が、この衝撃的な出来事を通して伝わってきます。
服役終えた彼は、やはりがらんどうの心のまま日々を過ごしていきます。そしてまた、暴力が絡む事件に巻き込まれる…。
しかし、これらの目を覆いたくなるような辛い出来事があったからこそ、最後のシーンが映えるのだと感じました。
暗闇の中に一筋の光が差し込むような、美しいラスト。
この美しさに、血涙は人生を変えるほど強い感情の発露なのかな、と想像してしまいました。
ぜひ、このラストシーンを見届けてください!
この主人公は一体、この先どうなってしまうんだろう。そう感じて目が離せなくなりました。
主人公のジュンは恋人を失ってからずっと、自暴自棄な状態に陥る。
心の中に「黒い何か」が芽生えるようになり、気が付くと記憶が薄れ、自分に絡んできた相手などを殴り倒しているのがわかる。
人生に対して希望を見出せない。別に死ぬのも悪くない。そんな諦観に囚われる中で、「黒い衝動」も大きくなっていく。
そんな彼に付きまとう、クドウとその取り巻きのようなゴロツキたち。それによってますます黒いものに絡め取られて行きそうになる。
人間は、自分自身の「心」すら、実は思い通りにはできない。なんでもかんでも理性で制御するのは難しく、時にはそれを凌駕する「強い感情」により、自分でも意図していなかった行動を知らずに取ってしまうこともある。
本作ではそんな「感情」に振り回される人間たちの姿が描き出されていると感じました。理屈を超えた強いもの。
それは人生を壊しもしてしまうし、逆に別の何かへと導いてくれることもある。
そうした彼らの持つ「強い感情」は、ラストで一つの結実を見せることになります。強烈過ぎる感情は人生だけでなく、肉体にもある種の変化を及ぼすことになる。
その先で見える、タイトルの意味。鮮烈なそのラストを是非とも見届けていただきたいです。