学生トーク「10/羽/命令編」

山田 武

学生トーク「10/羽/命令編」



「──10/羽/命令についてどう思う?」


「えっ? はっ…………えー?」


「数字の10、鳥とかの羽、強制的な感じの命令なんだが……どう思う?」


「いや、単語は分かるんだよ。なんか数が多いのも、まあいい…………お前、なんでわざわざ『スラッシュ』も読んだんだよ」


 キョトンとした顔をするこいつに、何を言おうと意味が無いのだろう。

 おそらく、何かを見た時に書いてあったものをそのまま読み上げたぐらいの理由だ。


「一つひとつ考えればいいのか? それともなぞかけみたいに連想できるものを纏めればいいのか? ……まあ、後者なんてできる気がしない──」


「なぞかけ!」


「んだが……ハァ」


 期待の眼差しを向けられ、溜息を一つ。

 頭をフル回転させること数分……。


「うん、無理」


「思いついてくれよ!」


「二つですらどの組み合わせでも思いつかんから無理。強いて挙げるなら……二つ以上が必要、ぐらいだろうな」


「ん?」


「10は1と0の二文字、羽は一対じゃないと飛べない。命令はそもそも従う相手が居ないとただの独り言……片方だけじゃ意味がない、ぐらいじゃないか?」


 なぞかけでも何でもない、ディベートで何も思いつかなかったヤツが、それでも質問されて適当に答えたぐらいの内容だ。


 プロがやるわけでもないし、多人数で頭を悩ませたわけでもない。

 学生が限られた休み時間で思いつくものなど、所詮はこの程度だ。


「……いや、イイと思う」


「そうか?」


「ああ、なんていうか……面白くないけど物凄く考えると、一瞬だけそうかも? って思える感じが」


「いや張っ倒すぞ!?」


 自分でも分かってはいるが、だからと言ってそんな無理難題を吹っ掛けてきた張本人にそれを言われたくはない──とりあえず、有言実行してやろう。


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