こちらこそ、今年の芥川、直木賞の本星やで!

登場人物一人一人を丹念に掘り起こしているようで、実は一人称の私視点でしか展開されないお話し。

当たり前と言えばそれまでですが、この一人称の私視点が、グイグイとワタシのココロに刺さってきます。

現在、ワタシの置かれている立場が驚くほどに主人公と重なる事(父はまだ存命ですが)、そして理由は何であれ、親と離れ、人生の袂を分けた感覚がどうにもココロに響いています。

兄弟との会話もここ十数年久しく、血縁であるが故に分からなくなってしまった感情の行き違いも、見事に描き出されており、思わず口に手をあて震えてしまいました。

人は大切なモノを失う時は鈍感になり、失った後に始めて気付かされる事があります。

その大切な何かを紐解く純文学としての本作の完成度は秀一としか思えません。

素敵な作品に感謝と賛辞を

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